予選はP.サラックがチェコ人初のポールポジションを獲得
決勝日前日に行われた予選に日本人2人の姿はなかった。小椋は開幕前のトレーニング中に左手首を骨折してしまい、開幕戦を欠場した。また、今季からMoto2参戦の野左根はFP3で転倒、病院に搬送されることになり、予選、決勝は不参加という結果に。
特にチャンピオン候補である小椋にとって、1戦たりとも落とせないシーズンだけに厳しいスタートとなってしまった。連戦で行われる第2戦に間に合うことを期待したい。
日本勢にとって厳しいスタートになってしまった開幕戦のポールポジションを獲得したのは、フィリップ・サラック(QJMOTOR Gresini Moto2)だった。ポールポジションを決めるQ2では、サラックがペドロ・アコスタ(Red Bull KTM Ajo)やアロン・カネット(Pons Wegow Los40)といった優勝候補たちとともにタイムを更新していく。
暫定トップに立ったサラックのタイムを更新しようと各ライダーがラストアタックするも、だれもトップタイムを上回れず、最終的にサラックのポールポジションが確定した。
サラックにとって、そしてチェコ人ライダーとしてはじめてのポールポジションであり、開幕戦の予選はメモリアルな記録が誕生した。2位に悲願の優勝を狙うカネット、3位にはアコスタがつけた。
P.アコスタが磐石の走りをみせ今季初優勝!
決勝日は晴れ。気温21度、路面温度31度というドライコンディションの中、21周で決勝レースが行われた。
スタートは2番手スタートのカネットが好スタートを決めトップで1コーナーへ。サラック、アコスタ、そして4番手スタートのセレスティーノ・ビエッティ(Fantic Racing)が続き、この4台が先頭グループとして抜け出す形となった。
2周目に3番手につけていたアコスタが一気に抜け出しトップに浮上。早くもペースを上げていく中、カネットが反応しアコスタに食らいついていく。
アコスタとカネットによるトップ争いの後ではトニー・アルボリーノ(Elf Marc VDS Racing Team)が9周目に3位に浮上、さらにトップ2との差を徐々に縮めていく。なんとか1秒以内にまで詰め寄ったアルボリーノだったが、トップの2台はさらにペースをあげ、優勝争いはアコスタとカネットの一騎打ちとなった。
レースの大半を1秒以内で争っていたトップ2だったが、残り5周からアコスタがスパートをかけていく。カネットも何とか食らいつくも徐々にタイム差をつけられてしまい勝負あり。
最後の2周でカネットに1秒以上の差をつけたアコスタがトップチェッカー。昨年の最終戦でも勝利したアコスタは年を跨いでの連勝となった。2位にはまたしても優勝を逃してしまったカネット、3位には予選8番手から見事な追い上げを見せたアルボリーノが入った。
ポールポジションスタートだったサラックは4位でフィニッシュ。カレル・アブラハム以来、チェコ人によるMoto2クラス優勝はお預けとなった。
次戦から小椋藍の復帰が予想される。開幕戦を見る限り、今年のチャンピオン候補筆頭は間違いなくアコスタだろう。いきなり25ポイント差をつけられてしまったのは厳しいが、小椋もチャンピオン争いに絡んでくるはずだ。復帰から小椋がどんな走りを見せてくれるのか注目だ。
2023 Moto2 開幕戦 決勝結果
レポート:河村大志