ベースとなったのはエクストリームのデモ車
スーパースポーツは、当然ながら各市販車メーカーが走りの機能を反映させたものだ。
レースカテゴリーによる排気量などの制限はあっても、コーナリングや加速性能に関しては各社の頂点的な位置づけ。その一方でエクストリーム=バイクスタントというジャンルでもスーパースポーツは多用される。よく回るエンジンや軽さ、コンパクトさという特徴に、フルカウルだからグラフィックで主張を反映しやすい点もその理由として挙げられるだろう。3次元で派手に動き回る姿や、そこに施されるグラフィックも、スーパースポーツには似合う感がある。
そこでこのCBR1000RRだ。エッジの効いた吊り目の2灯というヘッドライトの形状やアップ&テールカウル出しのサイレンサーから、MotoGPレーサー・RC211V(当時)をイメージしたSC57(’04〜’07年)と分かる。
「このバイクは元々、エクストリームを全面に押し出したバイクウェアブランド、アイコン・モータースポーツのデモ車だったんです」と、市本ホンダ/チームCB’Sの代表にしてノーリミットジャパン(国内エクストリームの筆頭団体)の代表も務める市本さん。
「アメリカで手を入れていた車両を日本に持ってきて、ウインカーほか保安部品などを日本に合わせてナンバーも取ってたんですね。エンジンはノーマルで、カラーリングはアイコンのレギオンというグラフィックをラッピングで施しています。マフラーやステップ、ブレーキまわりは換えていますけど、普通に乗れる仕様になっています。ウチでメンテナンスをしていたんですけど、それがこのほど、長く付き合ってきたお客さんが“息子にプレゼントしたい”となって譲ることになりました」
新オーナーは18歳。撮影時点では免許を取れたら乗れるようにと準備を進めていると聞いたが、車両の内容をきちんと知る身内や、懇意のショップがいる。ならばいきなりリッタースーパースポーツでも、乗り方の勘所や乗りやすさへの配慮も心配ないだろう。
しかもスーパースポーツのジャンルで気になりがちな時間経過(外観によって年代が明確で、古いものは単に過去のものと評されがち)も独特のグラフィックのおかげでタイムレス、気にならない。こんな贅沢なプレゼントとこの先どう付き合っていくかも気になる1台となった。
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Detailed Description 詳細説明
ミラーは小型化して上から下に向かう形でステーを置く。フロントウインカーはドラゴングラフィックの鼻先付近に小型のものをセットする。
フロントマスターはブレンボ・ラジアルで、レバーを可倒式に変更。クラッチ側は純正のまま。GPRステアリングダンパーも追加されている。
外観はオールブラックにペイントした上でicon(アイコン)の“レギオン・メインフレーム”グラフィックを全面にラッピング済み。
テール出しのエキゾーストは社外品に変更。リヤウインカーもアメリカの製品で、テールに加えたパネルにビルトインされている。
水冷のDOHC4バルブ・直列4気筒999ccエンジンやアルミツインスパーフレームはSC57のノーマルで、フレームはブラック仕上げされている。
ステップキットはこのジャンルに強いアメリカVORTEX製。ドライブチェーンにはEK・ThreeDのブラック×ゴールドをチョイス。
フロントフォークはSC57純正のφ43mm倒立タイプ、フロントブレーキはブレンボCNC P4 30/34キャリパー+サンスターディスクの組み合わせ。
スイングアームはSC57純正をブラック処理し、リヤショックはSC57純正をフロントフォーク同様にレーステック製内部パーツでチューニング。3.50-17/6.00-17サイズの3本スポークホイールはCBR1000RR(SC57)純正を蛍光マゼンタでペイントしたものだ。
リヤブレーキはブレンボP2 34キャリパー+サンスターディスクという組み合わせ。ブレーキラインはステンレスメッシュに変更する。