現在のスタイルを確立したUSテイストと太いタイヤ

’88年の開店時から長い間、横浜で活動していたクラスフォー。そのカスタムは『ヨコハマ・スタイル』などと呼ばれることが多かった。その中核は、独自に輸入したアメリカ製パーツをふんだんに使い、ドラッグレースやAMAスーパーバイクなど、アメリカをイメージさせるマシンづくり。ノーマル車と比べてぐっとカチ上げられたテールまわり、それを強調するフェンダーレスキットの装着なども、当時クラスフォーが広めた定番と言っていいだろう。

このZ1000R改はそのスタイルを顕著に表した1台で、’93年頃に製作されたものだ。ベースは’82年型=R1で、ワイセコピストンによって1135cc化したエンジンにはドラッグレースノウハウが惜しみなく生かされる。

画像: 現在のスタイルを確立したUSテイストと太いタイヤ

油冷GSX-R系のホイールや大径フロントフォーク、高剛性アルミスイングアームなどを組み合わせる手法はそのままストリートカスタムの一般的なスタイルとして定着した。同時にワイドリヤホイールの装着にともなって大幅にオフセットされたドライブスプロケットを外側からも支えるアウトボードベアリングサポートの使用やエンジンマウントの強化等、車体側にもドラッグノウハウは多数。まさに当時空冷Z系として太かったリヤホイールも、ドラッグイメージを狙ってのものだった。

しかしクラスフォーが提唱したのは、決して直線加速に特化したドラッグマシン自体のレプリカではなかった。太いリヤタイヤとアメリカンなカラーが似合い、コーナーも楽しいというストリートカスタム。それがこの車両のテーマで、ドラッグマシンのハイパワーへの対処は、その裏付けとなっていたのだ。

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Detailed Description 詳細説明

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速度計とエンジン回転計をワンボディに収めるメーターはZ1000R純正。アップライトなポジションを作るため、ハンドルは大きく手前に引かれる。

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キャブレターの変更にともなってハイスロットル化。スロットルケースも車体色に合わせた。フロントマスターはGSX-R系から流用している。

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キャブレターはフラットバルブのミクニRSφ36mm。エンジンはワイセコφ74mmピストンで998→1135cc化し、圧縮比は9.2→11:1に。カムシャフトはメガサイクル製で、オイルクーラーは当時定番のひとつ、サークスピード9インチ13段。オイルラインは右回しとした。

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ステップはノーマルよりかなり後方にセットし、アップハンと合わせて豪快なポジションを形成。ワイドホイールの装着により15mmオフセットされるドライブスプロケットを外側からも支持するコスマン製アウトボードベアリングサポートはドラッグレース由来のパーツだ。

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φ[STD:38→]43mmフロントフォークはショーワ製を'89GSX-R1100のステムで支持する。フロントブレーキはクラスフォーオリジナルのφ320mmローター+ニッシン異径対向4ピストンキャリパー。前後ホイールはGSX-R1100流用(1.85-19/2.50-18→3.50-17/5.50-17サイズに)を履く。

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エキセントリックチェーンアジャスト式で下側スタビライザー付きのアルミスイングアームはドイツKruger&Junginger製、リヤショックはショーワ。リヤブレーキはキャリパー/ディスクともGSX-R1100。排気系はUSスタイルにマッチするKERKER 4-1メガホンだ。

取材協力:クラスフォーエンジニアリング

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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