文:太田安治、オートバイ編集部/写真:森 浩輔、南 孝幸
アプリリア「SR GT Sport 125」インプレ(太田安治)
他にはない個性と走りのワイルドスクーター
手軽に乗れて実用性も高いことから、「日常の足代わり」で片付けられることも多い125ccスクーター。30万円を切る低価格をセールスポイントとする車種もあるが、一方でコストよりも性能、装備に拘ったモデルもある。イタリア、アプリリア社のSR GTもそうした趣味性の高いモデルだ。
車体は兄弟車のSR GT200と完全に共通。前14、後13インチのホイール径を採用した車体は大柄で、ピンク色のナンバーが不自然なほどの存在感がある。水冷SOHC2バルブのエンジンも基本的に共通で、シリンダーボア径を10mmほど縮めることで原付二種の排気量枠に収めている。
以前200cc版にも試乗しているだけに、「大柄な車体に125ccの排気量では…」と危惧していたが、市街地で試乗してみると、不思議なほど元気のいい走りを見せた。
カタログスペックは約15馬力で、同クラスの日本ブランドスクーターを軽く上回っている。イタリアブランドのスポーツスクーターは遠心クラッチが繋がる回転とフル加速で使う回転が高く、キビキビした走りと引き換えに気疲れするイメージがあるが、SR GTはエンジン特性と変速設定のバランスが良く、加減速の多い市街地でもせわしさを感じることはない。148kgという車重もあってゼロ発進に鋭さこそないが、いったん動き出せば重さを感じさせず、一定速度でのクルージングも快適。加えて高回転まで気持ちよく伸びていく爽快さも備えている。
車体のデザインと構成はアドベンチャーモデル的。前122mm/後102mmという長いストロークを持つ本格的なサスペンションを備え、エキゾーストパイプを上手に取り回すことで最低地上高も170mmを確保。さらにセミブロックパターンのタイヤを装着して、見た目だけではない本物のオフロード走破性能が与えられている。
とはいえ、この車両で積極的にオフロードまで足を延ばすライダーは少ないだろう。多くはタフイメージのストリートコミューターとして乗るはず。その点ではライディングポジションの余裕、大径ホイールによる安定性、アイポイントの高さが生む視界の広さ、強力なブレーキ性能が大きな利点になる。
ひときわ目を惹くイタリアンデザインと、走る場所を選ばないオールラウンドさがSR GTの魅力。各部の作り、仕上げを見れば価格にも納得がいくはずだ。
アプリリア「SR GT Sport 125」カラーバリエーション
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