本質的な重さや大きさを感じさせずに上質にする
2012年にカワサキのフラッグシップとして登場し、国内でも’19年まで輸入販売されたカワサキNinja ZX-14R。誕生から10年以上が経ったのかと思えるほどに今見ても古さはまったく感じない。それはこの車両を見ているからだろうか。
「ローダウンがしてあるんです」。こうK-2プロジェクト・北村さんに聞くまで気が付かなかった。そのくらいよくまとまった車両だ。
「オーナーさんは一般的なライダーで、小柄ですので14Rは大きく感じる。それで取り回しを軽くしたいというところから手が入りました。ローダウンキットを組んで、体格に合わせてライディングポジションを作り替えていくという作業を進めました。
![画像1: 本質的な重さや大きさを感じさせずに上質にする](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/06/05/c6aedaf4f26873517422429b51d5d30c93dd7ec5.jpg)
それで“大きさがかなり軽減されたから、今度は重さを軽減したい”と、だんだんとパーツを変更。皆さんも知っているように純正で重いマフラーを変更し、サスペンションも車重の変化に対して細かく調整できるものにグレードアップ。こうして取り回しが軽くなる要素が入って、このようなパッケージとして仕上がってます」
ほかにも手の大きさに合わせられてきちんと握り込めるフロントブレーキやクラッチのマスター変更(ここではゲイルスピードを選択)も行い、コントロール性の高さや操作感の良さも採り入れる。
![画像2: 本質的な重さや大きさを感じさせずに上質にする](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/06/05/5e29c7e035f9b9b0a10f8a6c48a09385839e7cda.jpg)
「大きさも重さもかなり緩和されて、操作性も良くなったのでと、オーナーさんはかねてから気になっていたパーツの装着に進まれたんです。リヤのラジアルマウントキャリパーやウイリースイングアームはそうしたパーツですね。最初は“カスタムしないで大丈夫派”だったオーナーさんがこうしてカスタムパーツの効果を知って、“普段よく行くツーリングでも取り回しがよくて怖くなく走れる”と楽しくなったようなので、製作したこちらとしても嬉しいですよね」とも北村さん。
きっかけは小さな、でもオーナーにとっては大きな問題。そこに真摯に向き合い、解決したことで安心して次の依頼ができるし、車両がよくなることで次の好奇心も生まれる。北村さんが常に考えるのは車両それぞれのオーナーの満足感。そこがきちんと満たされた1台として、参考にしたい。
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Detailed Description 詳細説明
![画像1: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/06/05/57b0fd1b34c939d2a20492dcfa9249b1f1ab5a8e.jpg)
ハンドル幅を広げ、少し上げた'16年以降のアジア仕様のうち、この車両は'17年型ハイグレードがベースとなっている。左右マスターシリンダーはゲイルスピード・エラボレートVREとしてオーナーに合わせた調整を行いコントロール性も向上。アルミ削り出しの本体とクリアのタンクを組み合わせた左右のリザーバータンクは、使うならいいものを使いたいということでrizoma製を選択している。
![画像2: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/06/05/963adf3860289522ce0e219c1be290cc328e4414.jpg)
フロントカウルやスクリーン、シートなど、外装はZX-14Rの純正そのままとしている。ステップはバーをローレットタイプに変更した。
![画像3: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/06/05/ab6ddfe06d568ba26722b6bafc50b4de6c8f6d9b.jpg)
1441ccの直4エンジンやFIはノーマルで、ノジマエンジニアリング製ラジエーターコアガード、オーヴァーレーシング製スライダーを追加する。
![画像4: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/06/05/d364242553dba9d6ea40f57ecc5acf1bceee099d.jpg)
φ43mm倒立フォークは純正でアクスルクランプボルトを変更。フロントブレーキはゲイルスピード・ラジアルマウントキャリパーにブレンボディスクの組み合わせだ。
![画像5: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/06/05/7ee5408afdf37ef50e2cc8b0534be2aa42d72b6e.jpg)
左右出しのマフラーはノジマ・ヒートチタン・ツインTYPE-SCのK-2プロジェクトコラボ品で、軽量化にも特性的にも好印象だった。スイングアームはウイリー・目の字断面アルミでリヤショックはオーリンズ。ホイールはマルケジーニM7RSの3.50-17/6.00-17サイズを履く。
![画像6: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/06/05/a6474bfaee1c91117e32e5ccee72c831caeac62c.jpg)
リヤブレーキもゲイルスピード・ラジアルマウントキャリパーに換装。前後ともブレーキラインはアレーグリ・ショルトシリーズだ。
![画像7: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2023/06/05/9031e69de6aca286ae6be59366935caf50412378.jpg)
センタースタンドは'16年型アジア仕様の標準装備品。リヤサスのリンクはEFFEX車高調整キットの対策品に換装され、自然にローダウンしている。