文:太田安治、オートバイ編集部/写真:赤松 孝
「エリミネーター/SE」vs「レブル250/Sエディション」比較インプレ(太田安治)

Kawasaki ELIMINATOR/SE
総排気量:398cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
シート高:735mm
車両重量:176kg(SEは178kg)
発売日:2023年4月25日
税込価格:75万9000円(SEは85万8000円)
※写真はSE

Honda Rebel 250/S Edition
総排気量:249cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ単気筒
シート高:690mm
車両重量:171kg(Sは172kg)
発売日:2022年12月22日
税込価格:61万500円(Sは64万9000円)
※写真はSエディション
走りもキャラクターも実は似て非なる
2017年4月に行われたレブル250の発表試乗会のことはよく覚えている。当時は250ccクラスのクルーザーに需要があったわけでもなく、車体デザインも極めて独創的。メディア関係者は「素晴らしく乗りやすいけれど…」という戸惑いが渦巻いていたのだ。

レブル250 Sエディション
しかし、レブルは発売されるや若いライダーを中心にジワジワと人気を集め、ついにはベストセラーに。現在でも圧倒的な乗りやすさと個性的なデザイン、カスタマイズの自由度の高さなどで支持され続けている。
それから約6年。ライバル車不在のセグメントに切り込んだのは突破力に定評のあるカワサキ。しかも「ガラパゴス化」とされる400ccで、だ。しかし、2023年5月に行われた試乗会では、ベテランライダーからも若い女性ライダーからも懐疑的な声は出なかった。
エリミネーターは2気筒400ccエンジンのスムーズで力強い特性が持ち味。企画段階では250ccエンジンも検討されたようだが、発進加速の力強さと高速道路120km/h走行時の快適さを狙って400ccに決定したのは大正解。「クルーザー」というセグメント名に相応しい余裕があるからだ。

エリミネーター
一方、レブル250はストリートユースでの扱いやすさが魅力。スロットル操作に対する穏やかなレスポンスとネイキッドモデル的な素直なハンドリングでエントリーユーザーでも安心して扱え、市街地の速度域では単気筒エンジンの鼓動感とサウンドも楽しめる。
排気量の差が大きく車検の有無というちがいもあるため直接のライバルとはならないが、通勤通学を含めた街乗りならレブル250、高速道路のクルージングや長時間ライディングならエリミネーターという当たり前の結論になる。
被っているように見えて実はまったく被っていないキャラクターだから、ルックスの好みだけで決めず、必ず試乗して選ぶべきだ。