空冷シングルスポーツのホンダ・GB350シリーズは、デビューからほどなくして大ヒットとなったが、ロイヤルエンフィールドが2023年ハンター350を日本で発売。早くもその人気に火が付き始めている。比較をしながらそれぞれの個性を紹介しよう。
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸

「ハンター350」vs「GB350」比較インプレ(太田安治)

画像: Royal Enfield Hunter 350 総排気量:349cc エンジン形式:空冷4ストSOHC2バルブ単気筒 シート高:790mm 車両重量:181kg 税込価格:65万7800円〜66万4400円

Royal Enfield Hunter 350

総排気量:349cc
エンジン形式:空冷4ストSOHC2バルブ単気筒
シート高:790mm
車両重量:181kg

税込価格:65万7800円〜66万4400円

画像: Honda GB350 総排気量:348cc エンジン形式:空冷4ストSOHC2バルブ単気筒 シート高:800mm 車両重量:179kg 税込価格:56万1000円 ※撮影車両は2021年モデル、スペック・価格は2023年モデル

Honda GB350

総排気量:348cc
エンジン形式:空冷4ストSOHC2バルブ単気筒
シート高:800mm
車両重量:179kg

税込価格:56万1000円

※撮影車両は2021年モデル、スペック・価格は2023年モデル

スッキリ爽快なGB350と、こってり濃厚なハンター350

GB350とハンター350はともに排気量350ccで最高出力20馬力。オートバイ用エンジンの出力はリッターあたり100馬力が目安だが、両車は約リッターあたり58馬力。最初に聞いたときは耳を疑った。180kgの車体がたった20馬力でまともに走るのか、と。

画像: GB350

GB350

GB350はボア/ストローク比1.29というロングストローク設定。注目はパワーではなく、3000回転という低回転域で3kg-mものトルク値を発生していること。重めのクランクマスと併せ、クラッチミートの瞬間にポンと押し出されるように発進し、3000回転程度でのシフトアップがちょうどいいほど力強い。スロットルを大きく開いたときの「パパパッ!」という破裂音を含んだ排気サウンドもGBの魅力の一つだ。

画像1: ハンター350

ハンター350

ハンター350のボア/ストローク比は1.19とGBほどではないがロングストローク設定で、最大トルクは4000回転で発生。発進加速の力強さ、単気筒らしいリアタイヤの蹴り出し感はGBと同等で、回転上昇に伴うパワー感はハンターの方が分厚い。言い換えればGBよりもハンターの方がフリクション感が強いが、これが「味」として作用している。

どちらがいいではなく、スッキリ風味とやや濃い口味の違いだ。ちなみに、両車の動力性能を充分だと言う人が多いが、個人的には一般道なら不足はないが、高速道路や峠の登り坂ではもう少し余裕が欲しいと感じた。

画像2: ハンター350

ハンター350

大きく異なるのはハンドリング。GBは前19、後18インチの大径ホイールと、寝かせたキャスター、長いトレール量により、バンク角に対してゆったりとフロントが反応する乗り味。ハンターは前後17インチで、クセのないネイキッドスポーツ的な特性だ。

味わいに関しては甲乙付けがたいから、ルックスやグラフィック、ポジションの好みで選んでも後悔しないはずだ。

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