ホンダ「ドリーム CB400FOUR」特徴
生産終了後に人気となった「早すぎた名機」
ヨンフォアの愛称で親しまれるCB400フォアはいまや1970年代を代表する名車として抜群の知名度を誇るが、現役時代は運に恵まれなかった。
ミドルクラスにホンダが投入した初の4気筒スポーツモデル、CB350フォアのエンジンをベースにボアを4mm拡大した408ccユニットを搭載。エキパイのラインが美しい4into1の集合マフラーやバックステップを採用した、いわゆるカフェレーサースタイルで登場したが、当時はカフェレーサーというコンセプトは時代のやや先を行っており大衆受けはしにくかった。
加えて、1975年の免許制度改正の影響で、408ccという排気量では中型二輪免許では運転できなくなってしまう。ホンダは急遽398cc版のF-Ⅰとアップハンドル仕様のF-Ⅱを1976年に追加設定するが、当時のライバルが2スト中心で動力性能に差があったことや、価格がもともと高価なこともあって、1977年には販売終了余儀なくされる。
しかし、その後の市場で400cc・4気筒を求める声が高まって価値は高騰。生産終了後に人気になるという、絶版車ブームの先駆け的な存在となったのである。
ホンダ「ドリーム CB400FOUR」各部装備・ディテール解説
【豆知識】カタログのキャッチコピーも鮮烈だった
「おお400。」というキャッチコピーと、ヨンフォアにまたがるライダーを地面スレスレから捉えた絵柄が新鮮だった当時のカタログ。カタログを開くと中にあるキャッチコピーには2種類あって、初期は「おまえは風だ。」だったが、398cc版が出てからは「おまえが好きだ。」に変更されている。これは当時問題になっていた暴走族対策として、スピードを煽るような言い回しを避けたため、と言われている。
ホンダ「ドリーム CB400FOUR」主なスペック
全長×全幅×全高 | 2050×705×1040mm |
ホイールベース | 1355mm |
最低地上高 | 150mm |
車両重量 | 185kg(乾燥) |
エンジン形式 | 空冷4ストOHC2バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 408(398)cc |
ボア×ストローク | 51.0×50.0(48.8)mm |
圧縮比 | 9.4 |
最高出力 | 37PS(36PS)/8500rpm |
最大トルク | 3.2(3.1kg-m)/7500rpm |
燃料供給方式 | PW20キャブレター |
燃料タンク容量 | 14L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 63゜ 30′ |
トレール量 | 85mm |
タイヤサイズ(前・後) | 3.00S18・3.50S18 |
ブレーキ形式(前・後) | ディスク・ドラム |
文:オートバイ編集部/写真:赤松 孝、瀬谷正弘