現在でもホンダが世界に誇るフラッグシップのひとつがゴールドウイング。他車にはない独創の技術を満載した、唯我独尊のグランドツアラーの初代は1974年に誕生した。他に類を見ないユニークなメカニズムで世界をアッと言わせたのである。
ホンダ「GL1000 ゴールドウイング」特徴
オリジナリティあふれる究極のグランドツアラー
1970年代当時、二輪車最大のマーケットであった北米市場のために開発されたホンダのフラッグシップがGL1000ゴールドウイング。開発にあたってホンダがこだわったのは「究極の二輪車」と呼ぶにふさわしいオリジナリティであった。
パワーユニットは水平対向4気筒。ユニットのコンパクト化を狙ってミッションをエンジン下部にレイアウトする二階建て方式が採られ、駆動はシャフト。素直な操縦性にもこだわり、オルタネーターをドライブシャフトと逆回転させてトルクリアクションを相殺するなど、メカニズムも凝ったものだった。
スムーズなパワーフィール、低重心の安定感ある走りで、GLはこれまでなかった「グランドツアラー」というジャンルを確立し、今日に至るまで独創の高級ツアラーとしての揺るぎない地位を築いてゆくのである。
ホンダ「GL1000 ゴールドウイング」各部装備・ディテール解説
【豆知識】ホンダ車初のシャフトドライブを採用!
写真は1976年型のカタログ。水平対向エンジンとホンダ車初のシャフトドライブを採用するにあたり、開発陣が最も苦労したのはエンジン、ミッションを合わせたユニットがどうしても長くなってしまうことだったようだ。最終的にエンジンとミッションを二階建てにして解決するのだが、この透視図を改めて見るとその苦労が窺える。
ホンダ「GL1000 ゴールドウイング」主なスペック
全長×全幅×全高 | 2305×875×1225mm |
ホイールベース | 1545mm |
最低地上高 | 150mm |
シート高 | 810mm |
車両重量 | 265kg (乾燥) |
エンジン形式 | 水冷4ストOHC2バルブ水平対向4気筒 |
総排気量 | 999cc |
ボア×ストローク | 72×61.4mm |
圧縮比 | 9.2 |
最高出力 | 80PS/7000rpm |
最大トルク | 8.3kgf・m/6500rpm |
燃料タンク容量 | 19L |
変速機形式 | 5速リターン |
タイヤサイズ(前・後) | 3.50-19 ・4.50-17 |
ブレーキ形式(前・後) | Φ232mmダブルディスク・Φ250mmディスク |
文:オートバイ編集部