1982年のスズキフランス以来の大記録!
鈴鹿サーキットは「コカコーラ2023鈴鹿8時間耐久ロードレース」の公式日程2日目を迎えております。きょう5日土曜日は公式予選の最終セッション、つまり2回目です。きのうの予選1回目とこの2回目、総合しての計時予選順位が決まるのです。
チームの持ちタイムは「チームの3人(または2人)のライダーのうち、タイムがいいほうの2人のタイムを平均」して算出されますから、ひとりだけ速くてもダメなわけですね。
鈴鹿の夏らしいド灼熱に見舞われた土曜日、10:05スタートの公式予選2回目では、なんとなんと、スゴいことが起こりました。
下記参考リザルトを見てもらうとわかるのですが、トップ3をみんなYARTが占めてしまったんです! トップ3みんなってことは、各組ぜんぶYARTがトップタイムを獲った、ってこと。コレは意外、って言ったら失礼ですが、速い速いとは言われてたけど、こんなに速いとは!ってのがすべてのファン、関係者の正直なところじゃないでしょうか。
ちなみに世界耐久チームがポールポジションを獲るのは、1982年のスズキフランス、ピエール・E・サミン/ドミニク・ペルネ組以来、41年ぶりです。快挙ですね、コレハ。
ちなみに公式予選は、2回のセッションで「タイヤ7本」と決まっていて、これ「7セット」じゃないからね、前後合わせて7本。フロント1本リア6本でも、フロント6本リア1本でもいいけど、計7本です。なんで奇数なんだろ(笑)。
たとえばリザルトを見ると、新品タイヤ、特にリアタイヤを1本しか入れなかったチームと2本入れたチームがわかりますね。常識的に考えて、タイヤの配分はフロント3本リア4本の組み合わせが多いでしょうし、そのリア4本を、昨日今日で2本ずつ使ったか、1本3本に振ってロングランをやったか、が見えてくるようです。
「今日まではあくまでも予選。マシンのセットを出すのが最優先だし、タイムはトップ10に出られる10位までに入ればいいか」が本音でしょうから、この公式予選まではあんまり重視していない、って可能性もあります。s
HRCの順位とタイムを見てると、アタックは長島に任せて、ビエルヘはコース習熟がメイン、高橋はロングランと、役割がはっきり見えるタイムですよね。
それに、耐久につきものの「燃費」に関しても、本番と同じ「好燃費仕様」で走ったのか、フルパワーで走ったのかも違いがあるかもしれませんしね。
絶対本命視されているHRCにしてみればあわてず騒がず、きのう「あれ…どーしちゃったの?」って思われていたヨシムラだってちゃーんと上位に顔を出しています。これが耐久なんですね。サテこれで、午後のトップ10トライアルを経て、上位10台のスターティンググリッドも決まるのです。
公式予選02 参考順位
順位 組/順 チーム ライダー タイム
1 黄/1 #7YART フリッツ 2分05.845
2 赤/1 #7YART ハニカ 2分05.870
3 青/1 #7YART カネパ 2分05.948
4 青/2 #33HRC 長島哲太 2分06.235
5 黄/2 #12ヨシムラ ギュントーリ 2分06.283
6 青/3 #17Astemo 水野 涼 2分06.730
7 赤/2 #104TOHO 榎戸育寛 2分06.942
8 青/4 #12ヨシムラ ブラック 2分06.972
9 赤/3 #33HRC ビエルヘ 2分06.976
10 青/5 #73SDG 浦本修充 2分07.146
11 赤/4 #95エスパルス シュロッター 2分07.215
12 赤/5 #73SDG 埜口遥希 2分07.313
13 黄/3 #71桜井 日浦大治朗 2分07.454
14 黄/4 #50コダマ 長尾健吾 2分07.478
15 赤/6 #71桜井 荒川晃大 2分07.481
16 黄/5 #33HRC 高橋 巧 2分07.532
17 青/6 #95エスパルス 渥美 心 2分07.556
18 黄/6 #76宇部 津田拓也 2分07.699
■トップ10トライアル進出チーム
順位 チーム 平均タイム
1 YARTヤマハオフィシャルEWC 2分05秒858
2 Team HRC with 日本郵便 2分05秒922
3 ヨシムラSERT Motul 2分06秒603
4 Astemo ホンダドリームSIR 2分06秒962
5 TOHOレーシング 2分07秒128
6 SDGホンダレーシング 2分07秒230
7 オートレース宇部レーシング 2分07秒236
8 F.C.C. TSRホンダフランス 2分07秒268
9 S-PULSEドリームレーシングITEC 2分07秒315
10 ホンダドリームRT桜井ホンダ 2分07秒373
トップ10トライアルは、上位10チームのスターティンググリッドを決めるセッションではありますが、言ってみればショーですからね。トップ10トライアル用にフレッシュタイヤが使えて、もちろんフルパワーで出走します。世界最高のタイムアタックショー、お楽しみに!
「2分03秒台出したいですね」とは長島哲太の言葉ですが、果たして!
写真・文責/中村浩史