V4戦略を推し進めてきたホンダのワークスレーサー・RVFのノウハウを惜しみなく投入して誕生したのが、RC30(VFR750R)とこのVFR400R。TT-F3レースで勝つために生まれた究極のプロスペックマシンは、400㏄クラスで圧倒的な存在感を誇る1台として歴史に名を遺すことになる。
まとめ:オートバイ編集部
まとめ:オートバイ編集部
ホンダ「VFR400R」特徴
公道でもレースでも高いポテンシャルを発揮
1980年代後半、戦略の要としてV型エンジンを強く推していたホンダは、TT-F1クラスにV4エンジンのワークスマシン「RVF」を投入。それは2スト250ccと4スト400ccで競うTT-F3クラスも同じで、1985年はRVF400が無敵の強さを誇った。
そうしたRVFの技術をフィードバックし、1986年にはカムギアトレーン搭載の初代VFR400Rが登場するが、レーシングイメージをより色濃く反映したマシンとして1989年に登場したのがNC30型のVFR400R。その型式名の通りRC30の正統な弟分で、車体/エンジン構成もルックスもそっくり。フレームを一新し、フロントタイヤを16→17インチとして旋回中の安定性を増し、360度クランクに改めたV4ユニットで排気音も小気味よくなった。狙い通り、NC30はレースでも上位の常連であり続け、高い評価を得た。