1984年にデビューしたGSX-R(400)に続き、スズキは750クラスでも革命を起こした。軽量コンパクトな油冷エンジン、アルミフレームと、当時の概念を大きく超えたスーパーマシン、GSX-R750を登場させたのだ。世界中のサーキットで暴れまくった名車のルーツがここにある。
文:オートバイ編集部/写真協力:BIKERS STATION
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スズキ「GSX-R750」各部装備・ディテール解説

スタイリングはまさしく耐久レーサーそのもの。オプションでよりレーシーなルックスにできるシングルシートカバーも用意された。

アルミダブルクレードルフレームは、軽量・高剛性なのに加えて部品点数が少ないのも特徴で、R750の場合わずか26点だった。

独自の冷却方式、SACSを採用した油冷エンジンは、単体重量で67.6kgという超軽量ユニット。国内仕様は自主規制で77PSだったが、輸出仕様は100PSを誇った。

フロントフォークはアンチノーズダイブ機構付き。ブレーキは前後で10個のピストンを持つ「デカピストン」キャリパー。

リアサスペンションはボトムリンク式のE-フルフローター。ホイールもバネ下重量の低減を狙った細いスポークのキャスト。

スポンジマウントされた、ホワイト文字盤にオレンジの針を採用した、レーシーなデザインの3連アナログメーターを装着。左から、スピードメーター、タコメーター、燃料計。

1986年には限定モデルの「GSX-R750R」を発売。乾式クラッチ、シングルシートなどを備えるほか、スイングアームが30mm延長された。
スズキ「GSX-R750」主なスペック・当時価格
全長×全幅×全高 | 2110×745×1205mm |
ホイールベース | 1430mm |
最低地上高 | 120mm |
シート高 | 765mm |
乾燥重量 | 179kg |
エンジン形式 | 油冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 749cc |
ボア×ストローク | 70×48.7mm |
圧縮比 | 11.0 |
最高出力 | 77PS/9500rpm |
最大トルク | 6.4kgf・m/8000rpm |
燃料供給方式 | キャブレター(VM29) |
燃料タンク容量 | 19L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 26゜ |
トレール量 | 107mm |
ブレーキ形式(前・後) | Φ300mmダブルディスク・Φ222mmシングルディスク |
タイヤサイズ(前・後) | 110/80-18・140/70-18 |
当時価格 | 78万円(1985年) |
文:オートバイ編集部/写真協力:BIKERS STATION