1984年にデビューしたGSX-R(400)に続き、スズキは750クラスでも革命を起こした。軽量コンパクトな油冷エンジン、アルミフレームと、当時の概念を大きく超えたスーパーマシン、GSX-R750を登場させたのだ。世界中のサーキットで暴れまくった名車のルーツがここにある。
文:オートバイ編集部/写真協力:BIKERS STATION
文:オートバイ編集部/写真協力:BIKERS STATION
スズキ「GSX-R750」特徴

SUZUKI GSX-R750
1985年
総排気量:749cc
エンジン形式:油冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:765mm
車両重量:179kg(乾燥)
当時価格:78万円
世界中のレースで勝った最強スペックの革命児
RG250Γ、GSX-R(400)と、衝撃的なモデルを連発し、レプリカブームのきっかけを作ったスズキが放った「次の一手」がGSX-R750。耐久レースに出ても勝てるポテンシャルを持った、最強のスーパースポーツである。
1983年に世界耐久選手権のチャンピオンに輝いたワークスマシン・GS1000Rを思わせる外装デザインを採用。エンジンは軽量コンパクトな新開発の油冷ユニットを採用、これをアルミダブルクレードルフレームに搭載し、乾燥重量は179kg、パワーも77PS(輸出仕様は100PS)を実現。
クラス最強・最軽量という並外れたスペックを実現し、デビューイヤーにル・マン24時間レースで1-2フィニッシュ、全日本選手権も3連覇を達成するなど、世界中のレースで大活躍することになる。

意外にも実用性は高かった?
初期型GSX-R750のカタログは、なんとフランスのポール・リカールサーキットで撮影を敢行したもので、スズキの並々ならぬ意気込みを感じさせる。ただ、サーキットでも大暴れしたが、さほど前傾がきつくないライポジや、シートが低く足つき性も良かったことから、ツーリングユースにも使える、懐の深いバイクでもあった。