プロダクションレースのベースマシンとして誕生したのがFZR750R、通称OW01。ワークステクノロジーを惜しみなく注ぎ込んだ逸品で、当時はとびぬけて高い価格も話題となった「幻のマシン」だ。
ヤマハ「FZR750R」(OW01)各部装備・ディテール解説

フロントノーズはスラントしたデザイン。通常のFZRシリーズとは一線を画した外観が、プレミアム感を盛り上げていた。

カウルはFRP製、タンクはアルミと、妥協のない入念な造りが特徴だった。スイングアームに貼られたオーリンズのステッカーが誇らしげだ。

OW01のために用意された新作のアルミデルタボックスフレームは、従来に比べ2倍剛性の剛性アップと40%以上の軽量化を実現。

5バルブエンジンはショートストローク化され、シリンダー前傾角も45度から40度として、エンジンの前後長を短縮している。

排気デバイスのEXUPを標準装備。シルバー仕上げのアルミサイレンサーには「EXUP」のロゴがエンボス加工で入れられている。

フロントフォークはフルアジャスタブルのインナーチューブΦ43mmで、当時としては極太。ブレーキローターもΦ320mmと大きい。

国内仕様のスピードメーターは180km/hスケール。右側に見えるダクトはFAI(フレッシュエアインテーク)のもの。
ヤマハ「FZR750R」(OW01)主なスペック・当時価格
全長×全幅×全高 | 2100×705×1160mm |
ホイールベース | 1445mm |
最低地上高 | 120mm |
シート高 | 780mm |
乾燥重量 | 187kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC5バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 749cc |
ボア×ストローク | 72.0×46.0mm |
圧縮比 | 11.2 |
最高出力 | 77PS/9500rpm |
最大トルク | 6.7kg-m/7500rpm |
燃料供給方式 | キャブレター(BDST38) |
燃料タンク容量 | 19L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 24゜30′ |
トレール量 | 100mm |
ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・シングルディスク |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70R17・170/60R17 |
当時価格 | 200万円(1989年) |
まとめ:オートバイ編集部