プロダクションレースのベースマシンとして誕生したのがFZR750R、通称OW01。ワークステクノロジーを惜しみなく注ぎ込んだ逸品で、当時はとびぬけて高い価格も話題となった「幻のマシン」だ。
ヤマハ「FZR750R」(OW01)特徴
オーリンズのリアサスを市販車初の標準装備!
1988年に登場し、瞬く間にサーキットの勢力図を塗り替えたのがホンダVFR750R(RC30)。その快進撃はヤマハにも大きな影響を与え、RC30を超える「ワークスマシンレプリカ」の開発を加速させることになる。そして誕生したのがFZR750R・OW01(オーダブリュー・ゼロイチ)。ワークスマシンの型式である「OW」の名をそのまま冠したところに、ヤマハの並々ならぬ決意が表れている。
前年に登場のFZR750とはまるで異なり、前傾5バルブエンジンはボア・ストロークを変更してチタンコンロッドまで採用した新設計ユニット。アルミデルタボックスフレームとスイングアームは、1987・88年の鈴鹿8耐を制したワークスマシンのYZF750とほぼ同じもので、リアショックにはオーリンズを市販車として初めて標準装備。妥協のない性能と造りで、価格は異例の200万円にまで達したが、限定500台は即完売した。