レーシングユースを前提としない、スポーツランの醍醐味を追求した大型スーパースポーツが台頭する中、ヤマハが1998年に投入したYZF-R1は今日に至る、近代スーパースポーツの祖ともいうべき革新技術を満載した一台で、世界中に衝撃を与えた。
まとめ:オートバイ編集部
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ヤマハ「YZF-R1」各部装備・ディテール解説

まるで生き物のような、ツリ目の2眼マスクが大きなインパクトを与える外観。初代のボディカラーはホワイトとブルーの2色が用意された。

現代のスーパースポーツに通じる車体ディメンション。スイングアームの長さは当時としては異例に長いものだった。

車体ディメンションは1995年のGPマシン・YZR500から継承。フレーム単体の重量は11.5kgで、サンダーエースより1.3kgも軽かった。

フレームはアルミデルタボックスⅡ。エンジンマウントは左2カ所、右1カ所という左右非対称のレイアウトを採用している。

クランク、メイン、ドライブの3軸を三角形を描く配置にすることで、エンジンの前後長をコンパクト化。マスの集中化を高めた。

排気デバイス「EXUP」を装備。エンジン回転、車速、スロットル開度、ギアポジションなどの5つのパラメーターで制御される。

消音効果の高い、容量の大きなサイレンサーを採用。素材はステンレスにカーボンを巻いた非常に豪華なものだった。

フロントフォークはインナーチューブ径41mm。たっぷりとストロークを取ることで、しなやかな路面追従性を確保している。

スイングアーム長は582mmで、ホイールベースの4割強。これは当時のスーパースポ―ツとしては異例の長さだった。

アナログタコメーターにデジタルスピードメーターの組み合わせは当時斬新で、以降多くのスーパースポーツがこの組合せを採用した。
ヤマハ「YZF-R1」主なスペック
全長×全幅×全高 | 2035×695×1095mm |
ホイールベース | 1395mm |
最低地上高 | 140mm |
シート高 | 815mm |
乾燥重量 | 177kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC5バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 998cc |
ボア×ストローク | 74×58mm |
圧縮比 | 11.8 |
最高出力 | 110.kW(150PS)/10000rpm |
最大トルク | 108.3N・m(11.0kg-m)/8500rpm |
燃料供給方式 | FI |
燃料タンク容量 | 18L |
変速機形式 | 6速リターン |
ブレーキ形式(前・後) | Φ298mmダブルディスク・Φ245mmディスク |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17・190/50ZR17 |
まとめ:オートバイ編集部