文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸
CF MOTO「パピオ XO-1」「パピオ XO-2」インプレ(太田安治)
ファンが増えそうなスタイリングと走り
「CF MOTO」は小型ロードスポーツからミドルクラスのスーパースポーツ、大型アドベンチャー、1250ccのグランドツアラーまでをラインアップしている、中国のブランド。KTMグループとの関係も深く、欧米市場では急速に存在感を高めている。
同社のミニマムモデルが12インチの小径ホイールを採用した「パピオ」。セパレートハンドル装着のカフェレーサースタイルがXO-1、アップハンドルのスクランブラータイプがXO-2で、エンジン/車体は基本的に共通。グロムに近いサイズのモデルだ。
デュアルヘッドライトの顔つきはどこか愛嬌があるが、キャラクターは思いのほかスポーツライク。ショートストローク設定の空冷エンジンは1万回転近辺まで軽々と回る小気味いい特性。クロスレシオというほどではないが、6速ミッションの各ギア比が近めなので発進加速の繋がりがよく、タイトターンの続くミニバイクコースでもギアの選択に困らない。これがズボラな操作でもグズらずに走れてしまうグロムとの決定的な違いだ。
逆に言えばエンジン回転やシフト操作に気を使いたくないライダーにはせわしく感じるかもしれないが、僕は小排気量車ならではのパワーを使い切る楽しさに価値を感じる。
XO-1は低い位置にセットされたハンドルとバックステップで軽い前傾ポジションになるが、僕の身長(176cm)だと窮屈さは感じない。そのまま肘を曲げて上体の前傾度を増やせば人車一体感がグッと増してコーナリング中のサスペンションの動き、タイヤグリップが掴みやすくなる。見た目の雰囲気だけではなく、ハンドリングもカフェレーサー的なダイレクト感があるから、街乗りペースでもスポーツライディング感が得られる。
対してXO-2のポジションは上体が直立し、膝の曲がりも緩やか。アイポイントが高いことで視界が広く、路面段差からの突き上げを肘で吸収できて上体が揺れないから、トコトコとツーリングを楽しむのに適している。
前後タイヤはセミブロックパターンで、フロントフェンダーもアップタイプ。XO-1と同じサスペンションなのでギャップの大きな路面での無理は禁物だが、フラットダートなら充分に遊べそうだ。
試乗して痛感したのは中国メーカーの技術力が飛躍的に上がったこと。もはや「安かろう悪かろう」ではない。CF MOTOも着実にユーザーを増やすだろう。