文:ノア セレン、横田和彦/写真:南 孝幸
評価ライダー
ノア セレン(写真右)
総合性能にウルサイので、万能なスクランブラーには目がないジャーナリスト。かつてはブロンコ所有、今はトリッカー。どっちもスクランブラー枠だよね!? ポーズはRRRのナートゥ!
横田和彦
インドといえば、大ヒット映画「RRR」でしょっ!と言いながら劇中のダンスを再現しようとするが、まったく体が動かないフリーライター。運動不足もはなはだしい凸凹コンビの小の方です。
2台のスペック比較
スクラム411プレミアム | キャバレロ スクランブラー500デラックス | |
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税込価格 | 85万3600円 | 130万円 |
全長×全幅×全高 | 2210×840×1165mm | 2166×820×1135mm |
ホイールベース | 1455mm | 1425mm |
シート高 | 795mm | 820mm |
車両重量 | 194kg | 150kg |
エンジン形式 | 空冷4ストOHC2バルブ単気筒 | 水冷4ストOHC4バルブ単気筒 |
排気量 | 411cc | 449cc |
最高出力 | 24.3PS/6500rpm | 40HP/7500rpm |
最大トルク | 3.26kgf・m/4250rpm | 4.4kgf・m/6000rpm |
燃料タンク容量 | 15L | 12L |
変速機形式 | 5速リターン | 6速リターン |
ブレーキ前・後 | ディスク・ディスク | ディスク・ディスク |
タイヤサイズ前・後 | 100/90-19・120/90-17 | 110/80-19・140/80-17 |
スクラム 411 プレミアム VS キャバレロ スクランブラー500デラックス|前後足回りチェック
フロント
圧倒的制動力のキャバレロ500に対し、いつでもオンザレールのスクラム 411
スクランブラーゆえ、いずれも19インチのフロントホイール径を持つ2台。しかしキャバレロは110/80というサイズなのに対しスクラムは100/90で、この違いがそのまま乗り味にもつながっている。
フロントからグイグイ曲がりライン変更も自由自在のキャバレロと、対照的にピシーッと狙ったラインをトレースするスクラム411だ。フォークは成立と倒立の違いがあり、ブレーキの効きもそれに合わせてかスクラム411はかなり穏やかなのに対し、キャバレロはガツンと効く仕様。ただハードブレーキ時にフォークの沈み込みも速いため、慣れが必要かも。
リア
スコーピオンラリーSTRがオンロード性能も提供する
キャバレロが装着するタイヤ「スコーピオンラリーSTR」は、不整地も走れるブロックパターンにもかかわらず、オンロードでもしっかりグリップする。対するスクラム411はSEATというタイヤを履くが、バイクの重さや重心の低さゆえか、キャバレロほど無理は効かないものの、かなり深いバンク角まで不安はなかった。
ブレーキは似た構成だがスクラム411はフロントの頼りなさをカバーする非常に良く効く設定。キャバレロは絶対制動力というよりはコントロール性重視。リアサスはいずれもプリロード調整可能で、キャバレロは無段階調整式だ。
スクラム 411 プレミアム VS キャバレロ スクランブラー500デラックス|取り回しチェック
同じサイズの車格だけど…
どちらも単気筒エンジンを搭載したスリムな車体なんだけど、車重が違うため取り回しやすさに差が出る。キャバレロが約150kgなのに対し、スクラム411は198kg。実際にはスクラムの重心位置が低いため数値ほどの差は感じないけれど、車体を起こすときや押し出しの一歩目では重さを感じる。重さは走行中の安定性や横風への強さなどにつながるため、旅バイクとして悪いことばかりじゃないんだけどね。
スクラム 411 プレミアム VS キャバレロ スクランブラー500デラックス|タンデムチェック
パッセンジャーの乗り心地を確認せよ!
キャバレロはシートがフラットでライダーとの密着度が高いため、しっかり掴まれるので安心。特にキャバレロの活発さを考えるとコレが正解だろう。スクラム411は後部座席がかなり高い位置あるため、乗り降りがけっこうハード。乗ってしまえばライダーのヘルメット越しに前が見えるため見晴らしは良いが、密着度は低めのためライダーは丁寧な操作が必要だ。
スクラム411 プレミアム
キャバレロ スクランブラー 500 デラックス