文:松下尚司/写真:ロイヤルエンフィールド
ロイヤルエンフィールド「ショットガン650」特徴
食わず嫌いは損をする? 偏見ナシで知ってほしい
近年、ロイヤルエンフィールドが元気だ。得意とする中間排気量(350〜650cc)を武器に、積極的に新型を発表。自国のインドでの人気はもちろんのこと、アジアパシフィック、南北アメリカ、欧州43カ国と販売台数を伸ばしている。生産規模も拡大され、最新のバラムバダガル工場は東京ドーム5個分の大きさで、年間60万台の生産規模を持っているという。
そんなロイヤルエンフィールドが発表したのが、新たな世界戦略モデルのショットガン650だ。これまで650クラスはロイヤルエンフィールドの創業地である英国スタイルを貫いたINT650、コンチネンタルGT650をラインアップしていたが、2023年にクルーザーモデル、スーパーメテオ650を発売し、高評価を得ている。
今回発表されたショットガン650は、そのスーパーメテオ650とエンジン、フレームを共有するモデル。しかし、前後ホイールやサスペンションなど足まわりを大幅に変更し、シート高も795mmと高めの設定なので、跨った瞬間に違うカテゴリーのモデルを作ったのだと分かる。
スーパーメテオ650はクルーザースタイルを強調する幅の広いハンドルが特徴のひとつでもあったが、全幅を比較するとショットガン650は70mmも短く、ハンドル位置も高くないので、平均的な身長のライダーであれば、少し上から押さえ込むように乗れる。そして何より違うのは随所で感じる軽快さだ。
クセのないゆったりとした乗り味のスーパーメテオ650に対し、ショットガン650は車体を起こした時、アクセルを開けた時、交差点を曲がった時、全てが軽快だ。そして、その軽快さはエンジンも同様だった。
搭載するパワーユニットは270度クランクを採用した648cc 空冷並列2気筒OHCエンジン。ロイヤルエンフィールドの650ccクラスではお馴染みのエンジンだ。しかし、滑らかに回る印象だったスーパーメテオ650に対し、ショットガン650は驚くほど軽快でレスポンスが良い。同じグループのジャーナリストたちも同じ印象だったので、本当に同じ仕様のエンジンなのかと開発陣に何度も確認したほどだった。
足まわりは完全に作り替えられて、F18インチ・R17インチになっている。Φ43mmの倒立フロントフォークはSHOWAのSFF-BPを継承しているが、30mmショートにして、スプリングや減衰力の設定も車両専用のセッティングにしている。
逆にリアサスペンションは30mm長くなり、ストローク量は7mm増。ホイールベースは35mmショートとなり、よりアグレッシブな走りに対応できるジオメトリーを採用している。装着タイヤはロイヤルエンフィールドではお馴染みのインドのシアット製だ。