最近、続々とニューモデルが登場している、400ccクラスの外車たち。プレミアムブランドのエントリーモデルから、本格的なスポーツモデルまで様々だが、どのモデルたちも日本メーカーのモデルにはないデザインやメカニズム、割り切ったキャラクターなど、それぞれに濃い個性を持っているのが特徴だ。
文:太田安治
魅力的なニューモデルが続々登場
個性的なキャラと走りは日本車にはない魅力!
1975年の「自動二輪中型限定免許」区分の導入以降、国内では400ccモデルがスター的な存在だったが、1996年の免許制度改定で大型二輪免許が教習所で取得可能になると、人気は大型モデルへと移り、400cc車の人気は下火に。「ガラパゴス排気量」と揶揄されるまで存在感が薄れていた。
ところがここ数年で様相が変わってきた。ハーレー、トライアンフ、KTMやロイヤルエンフィールドといった有名ブランドが、400ccクラスの新型モデルを世界戦略車として積極的に展開し始めたからだ。
本来はアジア圏の巨大マーケットを念頭に開発されたモデル達だが、日本の免許制度や交通環境にもマッチするとあって、若いライダーを中心に人気が急上昇している。
こうした人気の要因は名門ブランドのバリューだけではない。ルックス、パワーフィール、ハンドリングに明確な方向性があり、キャラクターが際立っているのも、万人受けを意識したキャラクター作りをする傾向が強い日本ブランド車とは異なる魅力だ。
インドや中国で生産することでコストを下げ、かつての「輸入車は高価」という常識も一掃。同じカテゴリーの日本ブランド車と同等、もしくは車種によっては輸入車の方が安いといった驚くべき現象さえ起きている。しかも、各メーカーのアジア工場は最新設備を備え、品質も仕上げもメイドインジャパンに匹敵するレベルにまで向上しているのだ。
「価格」と「信頼性」が互角になれば、魅力にあふれた輸入車が人気を博するのは自然な流れ。個人的には日本メーカーの奮起・反撃を期待しているが、当面は輸入車人気が続くのではないだろうか。
海外メーカー製400ccクラスのモデル(一例)
文:太田安治