文:ノア セレン、横田和彦/写真:関野 温
評価ライダー
冬はバイクに乗らない!? 雪が降ったらバイク日和
誰が言ったか知らないが「雪道を走るならカブが最強」という話を聞いたことはないか? そういえば郵便局のカブもチェーンを巻いて雪国を走り回り、猛吹雪の宗谷岬でキャンプするライダーもカブ乗りが多い。そしてチェーンを巻いたバイクは想像以上によく走る。一度これを経験してしまうと、その魅力にどっぷりとハマってしまう。それを一番感じやすいのが昔から身近にあったカブなのだ。
もはや雪道では敵なしのカブだが、近年その存在を脅かす刺客が現れたというのだ。それはヤマハ「トリシティ125」で、前2輪、後1輪がもたらす安定感が楽しさを倍増させるという。ならばどっちが雪道で楽しいのかをハッキリさせるために凸凹コンビが立ち上がった!
ヤマハ「トリシティ125」VS ホンダ「クロスカブ110」|特徴・スペック
価格・スペック | トリシティ125 | クロスカブ110 |
---|---|---|
税込価格 | 49万5000円 | 36万3000円 |
全長×全幅×全高 | 1995×750×1215mm | 1935×795×1110mm |
ホイールベース | 1410mm | 1230mm |
シート高 | 770mm | 784mm |
車両重量 | 168kg | 107kg |
エンジン形式 | 水冷4ストSOHC4バルブ単気筒 | 空冷4ストSOHC2バルブ単気筒 |
排気量 | 124cc | 109cc |
最高出力 | 12PS/8000rpm | 8.0PS/7500rpm |
最大トルク | 1.1kgf・m/6000rpm | 0.90kgf・m/5500rpm |
燃料タンク容量 | 7.2L | 4.1L |
変速機形式 | Vベルト式無段変速 | 常時噛合式4速リターン |
ブレーキ前・後 | ディスク・ディスク | ディスク・ドラム |
タイヤサイズ前・後 | 90/80-14M/C 43P・130/70-13M/C 57P | 80/90-17M/C 44P・80/90-17M/C 44P |
ヤマハ「トリシティ125」
盤石の走りは雪道でも健在か!?
コーナリング時に車体とタイヤの傾きが同調する!
トリシティはフロント2輪、リア1輪の特殊な足まわりを搭載した3輪スクーター。ヤマハはこの機構のことを「LMWテクノロジー(Leaning Multi Wheel:リーニング・マルチ・ホイール)」と称している。簡単にこの機構を説明すると、旋回中に車体が傾くのに合わせてフロントの2輪も傾斜させることで自然なハンドリングを実現するのだ。聞くところによると、このシステムによって滑りやすい雪道でも安定した走りが可能とのこと…いざ検証だ。
前タイヤを見よ!これがLMW技術
確かに雪道では抜群の安定感をもたらしそうなLMWテクノロジーだが、特殊な足まわりによるフロントヘビーがどう影響してくるのか、気になるところ。
ホンダ「クロスカブ110」
無敵の雪上キング、余裕の勝利か!?
無駄を削ぎ落としたボクサーのような勇姿をみよ!
このクロスカブに見覚えはないか? 2023年までオートバイ誌で連載していた「原二で下道放浪記」に登場していたハチ黒のクロスカブだよ。その企画でも雪道を走行したが、そのときは完全ノーマルで今回はZETAのオフロードサスペンションキットとアンダーカバーを装着した完璧な深雪仕様で再挑戦。これで雪深い道でもなんなく走破できるはずだ!? でも凸凹コンビの凹の足つきが悪化してしまうのが心配。だが、カブシリーズが雪道最強と言われる由縁のコンパクトで軽い車体に変わりなし。
チェーンを巻いたクロスカブは無敵
雪が深く積もった森林でもなんなく突破するクロスカブ 。凹(横田)の華麗なハンドルさばきで向かうとこ敵なしのクロスカブ 。やっぱりこいつが最強か!?