全日本トライアル選手権開幕戦、愛知・岡崎大会は昨年同様キョウセイドライバーランドを舞台に開催されました。電動トライアルバイク「TY-E 2.2」を3台投入するヤマハは、フル参戦2年目にして念願の電動車による勝利をおさめることができるのか・・・に、多くの観衆の興味が集まりました。
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
--※この記事はウェブサイト「ロレンス」で2024年4月1日に公開されたものを一部編集し転載しています

チームはそれぞれ違えど、使用するのはヤマハファクトリーマシンです

全日本トライアル選手権の最高峰、SA=国際A級スーパークラスにTY-E 2.2で参戦したのは、電動車フル参戦2年目の黒山健一(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)、ホンダから移籍の昨年度ランキング2位の氏川政哉(bLU cRU VICTORY)、そして同ランキング4位の野崎史高(Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA)の3選手です。

今大会のSAに参加したのは18名。まずは10セクションを2ラップし、そのうち上位10名が2つのスペシャルセクションに挑むという方式で行われました。1ラップ目は、13度の王者獲得のキャリアを誇る前年度チャンピオンの小川友幸(TEAM MITANI Honda)が減点5で首位を獲得。昨年小川の僚友だった氏川が減点11で2位。その1点差で減点12の黒山が3番手につけました。一方、野崎は減点39の10番手と出遅れるかたちに・・・。

画像: 左から野崎史高、黒山健一、氏川政哉の3選手。いずれもヤマハのファクトリーマシン、TY-Eを駆ります。 race.yamaha-motor.co.jp

左から野崎史高、黒山健一、氏川政哉の3選手。いずれもヤマハのファクトリーマシン、TY-Eを駆ります。

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2ラップ目も好調な小川が減点11で首位をキープ。調子を上げた黒山は減点20で2位に浮上。氏川はミスが重なり減点24で3位に後退。そして野崎は追い上げて5位までポジションを上昇させました。残る2つのスペシャルセクションは最大で10点の差をつけることが可能なため、首位小川を9点差で追う黒山には、逆転優勝の可能性が残されていました。

画像: ICE(内燃機関)搭載車からの乗り換えとなった野崎選手。 race.yamaha-motor.co.jp

ICE(内燃機関)搭載車からの乗り換えとなった野崎選手。

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勝負は、最初のスペシャルセクションで決まりました・・・

雌雄を決するスペシャルセクションの1つ目には、思いがけないドラマが待ち構えていました。なんと、スペシャルセクション進出の10名全員が失敗・・・! この時点で小川の優勝が決定しました。続く2つ目のスペシャルセクションでは、最小減点1で切り抜けた黒山が2位を確保。減点3の氏川が表彰台最後の3位の座を得ました。なお野崎は5位で、今年の開幕戦を終えています。

画像: TY-Eの開発を担い、電動車を習熟している黒山はTY-E勢最上位の2位を獲得。 race.yamaha-motor.co.jp

TY-Eの開発を担い、電動車を習熟している黒山はTY-E勢最上位の2位を獲得。

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画像: ホンダから移籍の、前年ランキング2位の氏川。TY-E乗り換え初戦で見事3位表彰台を獲得しました。 race.yamaha-motor.co.jp

ホンダから移籍の、前年ランキング2位の氏川。TY-E乗り換え初戦で見事3位表彰台を獲得しました。

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黒山選手によるTY-Eフル参戦初年度となった昨年、最上位は2位でした。残念ながら今年の開幕戦で悲願の優勝は成し遂げられませんでしたが、全8戦のシリーズはまだ始まったばかりです。ヤマハ勢としては、3人の有力ライダーを有すること、そして熟成の域にあるICE搭載車より伸び代に関してはまだまだ余地がありそうな電動車であることが、今後の飛躍の材料として期待されるでしょう。

電動車によるチャンピオン獲得という偉大なゴールまでの、通過点といえる電動車初勝利がいつ達成されるのか? その時を楽しみに待ちたいです。なお次戦・・・第2戦の大分玖珠(くす)大会は4月14日、大分県の玖珠トライアルヒルズで行われます!

文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)

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