使い方の変化に応じてセットアップも変わる

サーキットでのポテンシャルだけでなく、ストリートでも楽しめる性能を持ったスーパースポーツとして定評のスズキGSX-R1000R。そのM2(’22年型)をベースにテクニカルガレージRUN(TG-RUN)が手を入れた車両。当然のことながら同店の「ヴァージョンアップ・コンプリート」としての仕立てで、撮影時点がちょうど組み上がった直後という状態だった。本欄でもこの車両と同型式となる複数のL7〜(’17年型以降)GSX-R1000Rのヴァージョンアップ・コンプリートを紹介している(こちらでチェック!)。それらとの共通点や違いはあるのか、TG-RUN・杉本さんに聞いてみた。

画像1: 使い方の変化に応じてセットアップも変わる

「もうご存じかと思いますが、共通点は軽量化や上質化という点。車両がパッケージとしてしっかりした芯を持って動くこと、各パーツの作動性やライダーのコントロール性がいいこと。それらによって、より安心で安全に乗れる車両にすることです。これはベースがGSX-Rでもハヤブサでも現行KATANAでも、油冷モデルでも空冷カタナでも同じことです。

一方で違いは、以前にもお話したように、それぞれのオーナーさんの使い方や乗り方、好みに合わせるという部分です。ストリートを中心に使われる方、ツーリングがメインの方。サーキットもストリートも走る、サーキットを楽しむ。それぞれに向いたセッティングを施すことで、同じパーツやパッケージでも、それぞれの車両の性格は変わってきます。

オーナーの希望を最優先しオーナーをよく識った上で、マシンを1台1台作るテイラーメイド。サスの動きなどからも車体の動き方を調整してオーナーに合わせる。この車両も同じ考えでこれからサーキットでの詰めを行って、完成となります」

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杉本さん自身もストリートからサーキットまで年中走り、プロも認めるマシン作りのセンスやセッティングノウハウを磨いている。そこまで視野に入れて作られるコンプリートだからこそ、オーナーの希望の反映度も高いというわけだ。

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Detailed Description 詳細説明

画像1: Detailed Description 詳細説明

スクリーンはクリアな視界のマジカルレーシング・カーボントリムスクリーン・綾織りカーボン製/クリアに変更。ワイヤ式のクラッチホルダーはGSX-R1000R純正だ。

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フロントマスターはブレンボ・レーシングラジアルCNCでピボット部に抜け止め加工するのはTG-RUN定番。レバーピンはTG-RUNオリジナルのチタン製を使う。

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ハンドル/ステム/メーターはノーマル。純正でもメーター下にマウントされるステアリングダンパーは、オーリンズSD030に換装した。

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シートは操作性や居住性を高めるTG-RUNスポーツ&コンフォートシート(ノーマルを持ち込んで加工する)を使う。燃料タンクにはマジカルレーシングのタンクエンド/綾織りカーボン製を装着する。

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ステップはアルミ削り出しで剛性を高め、6ポジションで操作性を高めるTG-RUNライディングステップキットだ。

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999cc直4のエンジンやアルミツインスパーフレーム、外装類はGSX-R1000R純正で、ラジエーターにはコアガードを追加している。

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フロントフォークはオーリンズFGRT、フロントフェンダーはマジカルレーシング・フロントフェンダーの綾織りカーボン製。フロントブレーキはキャリパーをブレンボ・レーシングラジアルCNC 4Pに、ディスクをTG-RUN×サンスター・ワークスエキスパンドディスクとした。

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リヤブレーキはディスクをサンスター・ワークスエキスパンドディスクに変更。車体各部にはβチタニウムのボルトも使われる。排気系はヨシムラ・スリップオンR-11sqサイクロン。

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前後ホイールはボディに合わせてクリアアルマイトを特注したマルケジーニM7RSでサイズは3.50-17/6.00-17。リヤフェンダーもマジカルレーシングの綾織りカーボン製に換わる。リヤショックはオーリンズTTX GP2018だ。

取材協力:テクニカルガレージRUN

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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