文:横田和彦、オートバイ編集部/写真:南 孝幸、松川 忍
ホンダ新型「グロム」インプレ(横田和彦)
シフトワークを駆使して操る喜びは格別のもの!
通勤・通学から週末のツーリング、はたまたサーキット走行までこなす人気の4スト125ccスポーツ、グロムがモデルチェンジした。5速ミッションを装備した前傾シリンダーの単気筒エンジンやバックボーンタイプのメインフレーム、倒立フォークに前後12インチホイールといった車体構成はそのままに、スタイリングを一新。全体がシャープでスポーティなイメージになった。
外観以外に違いがないかカタログデータを見比べてみたが、車体寸法からエンジンスペック、減速比までほぼ同じ。唯一、車重が1kg重くなっているが、体感的にはまったくわからないレベルだといって良いだろう。
コンパクトな車体にまたがるとお馴染みのポジションに安心感を覚える。視界に入るREVインジケーター付きのデジタルメーターも先代と同形状なので、違和感がない。キーを回してエンジンを始動する。するとマフラーからリズミカルな単気筒サウンドが響いてくる。アクセルワークに対する追従性は良好。このあたりも従来通りという印象だ。
軽いクラッチを握りギアを入れてスタート。今回のグロムは4代目になるのだが、3代目からエンジンがロングストローク化し、5速ミッションになっている。一般的にロングストロークだと落ち着いたフィーリングのトルク型のエンジンになるのだが、グロムのエンジンは2代目までの軽快な吹け上がり感が残っている。
またミッションが5速になったことで、積極的にシフトチェンジして、パワーバンドを活用しながら走れるようになった。その特性は今回の新型にも受け継がれていて、小径ホイールによる高い旋回性能を活かしながら、交通量が多い市街地であってもキビキビと駆け抜けることができる。シティコミューターとして見ても優秀な仕上がり具合だと言えよう。
オーナーにとって嬉しいのは多くの純正アクセサリーがラインアップされたこと。空力を高めスタイリッシュに仕上げるメーターバイザーや、積載量を増やすリアキャリア、シート&サドルバッグ、スマホへの給電ができるようになるUSBソケットなど、自分のグロムを使用用途に適した仕様にすることができる。
今後は従来モデル同様、社外のカスタムパーツが数多くラインアップされることも想像できる。気軽にカスタムを楽しめるバイクということも人気の理由なのだ。
グロムは単に可愛いミニバイクというだけじゃなく、速度域を必要以上に高めることなく“バイクの基本的な挙動を感じ取って操る感覚を養う”ことができるバイクでもある。それはグロムにレースベース車が用意されていることからもわかる。
webカタログに掲載されているのは前のモデルがベースだが、追って新型に変わることも十分に考えられる。グロムが活躍するフィールドは、ストリートだけに縛られていない。可能性に満ちた4ミニスポーツだといえよう。
ホンダ新型「グロム」カラーバリエーション
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