最新モデルであっても突然不調に陥る可能性はゼロではないし、軽い立ちゴケでも車体が損傷することもある。バイクは楽しい乗りものであるが、ある程度のトラブルリスクも考慮する必要がある。この記事では、定番トラブルの対処法を紹介しよう。
文:丸山淳大/写真:関野 温/モデル:mii
5つの定番トラブルとその対処法を紹介
トラブル1. レバーが折れてしまった!
レバーを折ってもココロは折るな!
軽いタチゴケでも簡単に折れたり曲がったりしてしまうのがレバーだ。レバーが曲がった場合、無理に曲げ直すとほぼ確実に折れるので、ひとまずそのまま交換できる場所まで走るのが無難だ。
一方、折れてしまったときは、小型スパナなどを添え木にしてタイラップで縛ることで応急修理できることもある。また、バイスプライヤで残ったレバーを咥えて固定し、一時的に対処する方法もあるので、覚えておくと良いだろう。
〈対処法1〉小型スパナとタイラップを活用
〈対処法2〉バイスプライヤをレバー代わりに!
トラブル2. ボルトが脱落してる⁉
普段からボルトの増し締めを心がけよう
ツーリング先の休憩時に愛車を眺めながらたそがれている時なんかに、ふとあるべきボルトがないのに気づいたりするものだ。そんな時は慌てず騒がず対処。タイラップやステンワイヤーなどを適材適所で使い分けて固定しよう。
ただし、エンジンマウントやブレーキキャリパーなど、重要なボルトが失われているケースではそのまま走り続けるのは難しい。同じ強度のボルトをなんとか入手するか、レッカーを依頼したい。
〈対処法〉タイラップまたはステンワイヤーを使用
トラブル3. バッテリーが上がった!
バッテリー端子と端子を合わせて電力いただきます
後付け電装パーツがあれこれ付いているバイクはバッテリー上がりにも気をつけたい。FI車は押しがけが不可能な場合も多いので、セルモーターが回らなければ自力での始動は困難となる。モバイルタイプのスターターを使うか、同行者や付近の人にバッテリーのジャンプをお願いするのが最善策となるだろう。
ジャンプコードを常時車に積んでおくという昭和時代の慣習も失われつつあるが、いざという時のためにコードを繋ぐ順を覚えておくと良いかも。
〈対処法〉 ジャンプの要請、またはスターターを使用
トラブル4. ガス欠してしまった!
うまくいったら気分はマッドマックスだ!?
ついうっかり給油タイミングを逸してしまうことは良くある話。ガス欠になった際、もし同行者がいたならばガソリンを少し分けてもらうことで、ピンチを脱することができるかもしれない。
バイクのタンクからガソリンを抜き出すにはポンプが必要になると思われるかもしれないが、実は耐ガソリンのホース1本でガソリンを抜く方法があるのをご存知だろうか!? 「サイフォンの原理」を利用すればいとも簡単にガソリンを移すことができるぞ!
〈対処法〉耐ガソリンホースでサイフォンの原理を使う
トラブル5. タイヤがパンクした!
パンク修理キットで実際の作業に挑戦!
チューブレスタイヤの場合、タイヤに刺さった異物を見つけてもすぐには抜かず修理ができる場所まで移動することも検討しよう。ただし、空気が完全に抜けている場合や盛大に空気が漏れている時は、現場で修理するかレッカーを呼ぶかの二択となる。
空気と共に液体修理剤をエアバルブから注入するスプレータイプは便利だが、あくまで応急用ととらえよう。穴に直接シール材を打ち込むタイプがおすすめだ。いずれにしてもパンクしたタイヤは早めの交換が吉。
〈対処法〉パンク修理キットを使おう
まとめ:店主 マルの結びの一言
準備だけは整えておいてあとは出たこと勝負で対処!?
今回のツーリングトラブル対処法はあくまで一例であり、実際には全く想定外のトラブルに見舞われることもある。私はそれが怖いのでバイクには乗らずに〝いじる〟ことにします!?
miiちゃんはトラブル対処法もサクッと習得し、ロードサービスにも加入するそうなので、バイクを買う前から準備万端。「Z世代」らしい手際の良さだ。「Z」って言ってもカワサキとか空冷とかじゃないんだよ~って、そんな寒いダジャレを言うハチ黒さんには、頭にジャンプコードを繋いでお仕置きだ‼
文:丸山淳大、mii/写真:関野 温