現行のホンダGB350シリーズは今の目で見た普遍的なバイクの楽しみを具体化したミドルクラスモデルだ。ただ遡ること40年、1983年にも同じ「GB」の名を冠する単気筒スポーツがホンダから送り出されていた。今のGBはかつてのGBブランドからは切り離された自由な存在とされているが、その名を持つ車両群を知ることで、GBの意味に新たな側面が見えてきそうだ。

ホンダ「GB400TT」(1985~1988年)

GB400TT(NC20)1985年

新開発エンジンで'60年代レースモデルの雰囲気を再現

1960年代にイギリスで活躍したロードレース仕様車(単気筒エンジン搭載)のスタイルと、最新の技術を生かした中低速域の力強い乗り味を調和させたとして登場したGBシリーズの中核モデルがGB400ツーリストトロフィー(TT)。シンプルなデザインと金属素材の多用による質感を重視した。

画像1: ホンダ「GB400TT」(1985~1988年)

下はGB400TTの純正アクセサリー装着車。前後フェンダー、ニーグリップラバー、チェーンケース、メーターバイザーにタンクバッグがアクセサリー。純正アクセサリーはGB500TTとも共通だった。

画像2: ホンダ「GB400TT」(1985~1988年)

GB400TT 主なスペック
全長×全幅×全高:2100×690×1060mm
ホイールベース:1400mm
シート高:780mm
車両重量:168kg(乾燥150kg)
エンジン:空冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒
排気量:399cc
ボア×ストローク:84.0×72.0mm
圧縮比:9.2
最高出力:34PS/7500rpm
最大トルク:3.4kgf・m/6000rpm
燃料供給:キャブレター(VE10)
タンク容量:17L
変速機:5段リターン
キャスター角:29°25'
トレール量:124mm
ブレーキ形式(前・後):ディスク・ドラム
タイヤサイズ(前・後):90/90-18 51S・110/90-18 61S


GB400TT MkII(NC20)1985年

ハーフカウル&シングルシートの限定仕様でレース感を強調

GB400TTにシングルシートカウルやロケットタイプのフロントカウルを装着し、ひとり乗り仕様としたのがGB400TT MkII(マークツー)。GB400TTの1985年7月から1カ月後の同年8月に限定4400台で販売された。右1本出しマフラーやセル/キック併用始動などの機能や装備はGB400TTに同じだった。

画像3: ホンダ「GB400TT」(1985~1988年)

GB400TTMkII 主なスペック
全長×全幅×全高:2100×690×1215mm
ホイールベース:1400mm
シート高:780mm
車両重量:171kg(乾燥155kg)
エンジン:空冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒
排気量:399cc
ボア×ストローク:84.0×72.0mm
圧縮比:9.2
最高出力:34PS/7500rpm
最大トルク:3.4kgf・m/7500rpm
燃料供給:キャブレター(VE10)
タンク容量:17L
変速機:5段リターン
キャスター角:29°25'
トレール量:124mm
ブレーキ形式(前・後):ディスク・ドラム
タイヤサイズ(前・後):90/90-18 51S・110/90-18 61S


GB400T.T. SPECIAL EDITION(NC20)1987年

細部塗装や処理で質感を高めた特別仕様が登場

1987年6月にはGB400T.T.にスペシャルエディション(特別仕様車)が加わり、2000台が発売された。ツートーンカラーに加え前後フェンダーのクロームめっき処理、エンジン各部のガンメタグレー塗装、燃料タンク/サイドカバー/シート後部に立体エンブレムを採用するなど、細部の表面処理の質感を高めた。

画像4: ホンダ「GB400TT」(1985~1988年)

GB400TT (NC20)1988年

カラー変更した特別仕様車を追加してシリーズ終了

GB400TT(表記はGB400T.T.の場合もあり)は1988年7月にも特別仕様車を追加。1986年の登場車と同じ仕様を持ちながら、ツートーンのカラーをシルバーとガンメタリックシルバーベースに変えている。主な仕様は初代の1985年モデルと変わらず、1986年版同様にアルミリムのバフ仕上げのグレードを上げるなどの表面処理の質感向上を施していた。

画像5: ホンダ「GB400TT」(1985~1988年)

ホンダ「GB500TT」(1985年)

GB500TT (PC16)1985年

400とボア/ストロークとも異なる500cc×ひとり乗り仕様

GB400TTと同じ1985年の8月に発売されたのがGB500TT。GB400TT(Φ84×72mm)とはボア×ストロークとも異なるΦ92×75mmのSOHC4バルブ単気筒エンジンを搭載。シングルシートを標準装備してのひとり乗り仕様、また当時大型免許(現・限定解除)所有者が少ないこともあり、趣味性も強かったGB500TTはこの1代のみとなった。

画像: ホンダ「GB500TT」(1985年)

GB500TT 主なスペック
全長×全幅×全高:2100×690×1060mm
ホイールベース:1405mm
シート高:775mm
車両重量:167kg(乾燥149kg)
エンジン:空冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒
排気量:498cc
ボア×ストローク:92.0×75.0mm
圧縮比:8.9
最高出力:40PS/7000rpm
最大トルク:4.2kgf・m/5500rpm
燃料供給:キャブレター(VE10)
タンク容量:17L
変速機:5段リターン
キャスター角:29°25'
トレール量:124mm
ブレーキ形式(前・後):ディスク・ドラム
タイヤサイズ(前・後):90/90-18 51S・110/90-18 61S

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