ホンダ「GB350」「GB350 S」(2021~2023年)
2枚の写真(上下)はともにHondaのGB350サイトの画像。上画像には「心を弾ませる、パワーと鼓動」、下画像には「いつも安心。だから楽しい」というキャッチが付いている。現代のオーセンティックを表現したモデルという感覚も伝わってくる。
かつてのGBとは異なる、新しいブランドを目指す
バイクらしさ。GBを改めて見た時に思い付くのは、そんな言葉だ。少し言い換えれば、オーセンティック。本物、信頼できるというような意味を持った英単語。
いろいろなジャンルに特化したバイクがたくさんある今の時代に、あえて普通のバイクを作り、送り出そうという気概がそこに見える。では、バイクらしさとは何だろう。Hondaは、「移動」が人にとって価値ある時間になるようにと考え、自由で楽しい移動ができることを目指して、新しいGBシリーズを2021年に提案した。
インド向けにひと足先に作られたハイネスCB350というモデルがベースにあったとは言え、当地で求められるものと日本で求められるものの差はそう大きくはない。共通する〝バイクらしさ〟は基本的には同じものだ。そのために空冷単気筒というエンジンを新開発し、実用だけにとどまらず、心地よい鼓動感も味わえる。どこからでも触れやすい作りは、まさに自由を形にしている。
「GB」はHondaの単気筒バイクとして親しまれた名前。
だが、以下で紹介するかつての〝クラブマン〟〝TT〟というプロダクトブランドのイメージからも離れた自由な存在として、この新しいGBを楽しんでほしい。そして新しいプロダクトブランドになる。新GBは、そんな普遍さのブランドになるのだろう。
バイクの楽しみをシンプルに表現する
「日常から遠出まで~The Honda Basic Roadster」をコンセプトに、ライダーの経験やスキルを問わず、「自由」であることの楽しさや豊かな体験を提供するバイクを目指して2021年の春に登場した現代のGB。それがGB350だ。GB350は前後19/18インチで、GB350Sはリヤ17インチのスポーティバージョン。
GB350(2BL-NC59型)2021年
GB350S(2BL-NC59型)2021年
リヤ17インチのスポーティバージョン
規制適合し、細部の仕様を変更
GB350Sも2023年7月に初のマイナーチェンジ。GB350と同じく平成32年(令和2年)排出ガス規制に適合し、型式は「8BL-NC59」に。またハンドルパイプをマットシルバー塗装に変更、サイドカバーエンブレムがシンプルなデザインになった。カラーリングは「プコブルー」を新たに加え、従来色との3色設定となった。
GB350S(8BL-NC59型)2023年
GB350(8BL-NC59型)2023年
令和2年排出ガス規制に適合化
GB350はリヤサスペンションスプリングをシルバーからブラックに変更。「マットパールグレアホワイト」のカラーを新設定し「パールクロモスフィアレッド」が外れての3色設定となった。
GB350・GB350S 主なスペック
全長×全幅×全高:2180《2175》×800×1105《1100》mm
ホイールベース:1440mm
シート高:800mm
車両重量:180《178》kg
エンジン:空冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒
排気量:348cc
ボア×ストローク:70.0×90.5mm
圧縮比:9.5
最高出力:15kW(20PS)/5500rpm
最大トルク:29N・m(3.0kgf・m)/3000rpm
タンク容量15L
変速機:5段リターン
キャスター角:27°30'
トレール量:120mm
ブレーキ形式(前・後):ディスク・ディスク
タイヤサイズ(前・後):100/90-19M/C・130/70-18M/C《150/70R17M/C》
※2021年型、2023年型共通
※《》はGB350S