クラッチ調整に必要なもの
必要な工具は、14mmメガネレンチとマイナスドライバーだけ。
自分はキックペダルをAPE用に交換してるので、75度のオフセットメガネレンチが使いやすかった。
ハンターカブのクラッチ機構
調整の前に、ハンターカブのクラッチについて触れておくよ。
これまでのカブシリーズと同様に自動遠心クラッチを採用してるので、シフトペダルを踏み込むとクラッチが切れてシフトアップ、そしてシフトペダルを離す際にクラッチが繋がっていく。
なので、慣れてくると踏みっぱなしにして回転を合わせてクラッチを繋ぐなんてこともできるわけですよ。
クラッチの繋がり具合に関しては、基本的にお店でちゃんと整備されてるはずだけど、走行距離が伸びてきたりすると再調整が必要になる場合もあるのよね。
そこで今回のクラッチ調整というわけ。
ちなみに自動遠心クラッチといっても古いカブのクラッチとは構造が違って、プライマリークラッチを擁するシステムになってる。
おそらく、スーパーカブ110に採用されてる二段クラッチシステム、もしくはそれに類するシステムを採用していると思われるよ。
つまり発進用クラッチ(プライマリークラッチ)と変速用クラッチという2つのクラッチを使った機構ね。
今回やってみるハンターカブのクラッチ調節は、変速用クラッチの繋がりを調節するということね。
クラッチ調整の手順
クラッチ調整で触るのは、エンジン右側の丸で囲った部分。
ボルトとナットがついてて、これを触るよ。
マイナス溝の切ってあるボルト部分がクラッチアジャスティングボルト。
それを止めているナットはナット。役割でいうとロックナットというものだと思う。
調整前に、今の調整位置がわかるようにクラッチアジャストボルトのマイナス刻みの位置をマーキングしておくと良いよ。
上手くいかなかったときに、戻すための目安になるからね。
では実際にやってみるよ。
黄色い矢印=メガネレンチの動きで、赤の矢印=マイナスドライバーの動きにしてあるよ。
まずは14mmのメガネレンチでナットを左回り(反時計回り)に回して緩めよう。
ナットを緩めたら、ここからはマイナスドライバーで作業。
マイナスドライバーでの作業のコツは、優しく丁寧に回すこと。
勢いよく回すと重くなってても最悪気づかないからね。なので、強い力で回しすぎたりすると、失敗の原因になるよ。
マイナスドライバーでクラッチアジャストボルトを右回り(時計回り)に一回転。
一回転くらいまわすと、重くなるというか止まるので、それ以上無理して回さないようにね。
そのままマイナスドライバーで左回り(反時計回り)に止まるまで回そう。
優しく回していくと一回転ちょっとのところで重くなって止まるはず。
力を入れればさらに回るけど、そうするとクラッチが滑るらしい。
そしたら、1/8回転、つまり45度だけ右回り(時計回り)に戻そう。この戻し具合がクラッチ調整になるよ。
1/8回転よりも大きく回せば遊びが増えて、1/8回転より少なく回すと遊びが減るはず。
1/8回転戻したら、クラッチアジャストボルトが回らないようマイナスドライバーで抑えつつ、メガネレンチでナットを右回り(時計回り)に締めて完成。
調整後は必ず試運転を
調整完了したら、試運転をしてシフトペダルを踏み込んだ時の操作感とか、クラッチの違和感がないかチェックしておこう。その際には、何かあっても対応できるよう、14mmのメガネレンチとマイナスを持っていくと安心よ。
調整については、1/8回転が基本的な目安になるけど、好みやエンジンの個体差とかもあると思うので、納得できるまで調整を。
自分は特にこだわりないけど、それでも試運転して一度再調整した。
動画でクラッチ調整
せっかくなので動画にも撮っておいたよ。参考になれば幸い。
まとめ
クラッチ調整って個人的には敷居が高かったんだけど、一度やってみたら拍子抜けするくらい簡単だった。
クラッチの感触に違和感があったら、ぜひ試してみてね。ただ、失敗してどうしようもなくなるとアレなので、不安な時はディーラーやショップに頼るのも正義。
レポート:若林浩志