ライダーが安心して扱える操作性や手応えに配慮する

この2024年に開店30周年を迎えるブライトロジック。多くの車両にユーザーの望む手を入れる。それとともに、そんなユーザーの車両入れ替えにともなって入庫するもの、あるいはベース車を仕入れたものを元に販売車両を仕立てている。GSX-Rシリーズはその中心のひとつとなっている。

このGSX-R1000もそんな販売車両として仕立てられたものだ。K7/K8(’07/’08年型。両車はカラーリング以外の仕様は同じだ)が元になっている。この型はコンパクトさや反応の良さもあって、同店・竹中さんも常々お勧めと言ってきたものだ。販売車として手を入れるに当たって、中古車両を元に各部をチェックし、清掃する。一般に見かける中古販売車ならこの段階で店頭に並びそうだが、ブライトロジック車両はここからが違ってくる。

ブレーキホースを交換しバッテリーも交換、リヤブレーキディスクも新品に交換する。タイヤも最新銘柄(ここではブリヂストンRS11)に換える。納車後にきちんと楽しさを味わってほしい。つまりこうしたリフレッシュメニューでまずワンステップ異なる。パーツ組み込みや交換だけでなく、いったんバラしての清掃に適量グリスアップ、作動確認も行う。整備の見本としたくなるような内容が施され、またワンステップ異なる。

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さらにフロントブレーキマスターはキャリパーがブレンボでなくともこちらは必須というブレンボラジアル(ここでは鍛造ボディのRMCフォージドに)、K7/K8でのみ油圧駆動だったクラッチマスターもブレンボ(同じくCNCボディのRMCビレット)にと、操作性を重視したアップグレードを行っている。ステップも操作へのダイレクト感重視でバーを固定式に換え、ドライブチェーンは520サイズの新品、燃料タンクもアルミに換装して軽量化と運動性向上も図るという具合に、コンプリートカスタム然とした域にまでなっている。

お勧めベースモデルの素性をさらに高めた1台となっている上に、手に入れてから(製作途中に購入できるから、その時点で詰めるのがいい)の仕様変更=サス変更やカラー変更もできる。

消耗品はもちろん、大物パーツでも純正で新品交換するのはベースにあっても、このようにより使える、信頼できるパーツにアップグレードをするというのは、同店にはある意味当たり前とも言える。竹中さんは、GSX1000Sカタナを皮切りに、GSX-R750登場以降もTTF-1がスーパーバイクになる(GSX-R750で言えば’94SP)直前までをヨシムラ・レーシングメカニックとして接してきた。

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その中でライダーがいかに考える通りに車両を操作できるかを追求してきた。そのためにどんなパーツを使うか、正しく動かすためにどう組むか。それが今の車両作りにも反映されているわけだ。

パーツに関しては「カスタムショップだから純正に縛られないで車両がより良くなるものを使えばいい」し、作業も「ごく当たり前のことをしているだけですよ」と竹中さんは言うが、その当たり前を鈍らさずに車両に反映させ続ける点は、注目せずにはいられない。なおこの車両、完成後には完成検査も兼ねて辻本聡さんがサーキット走行会の先導車として乗っていることも、エピソードに加えておこう。

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ヘッドライトも含めたフロントの外装はクレバーウルフの'07~'08GSX-R1000ストリートフルカウルを使う。クレバーウルフカウルは各部の合わせ具合いもいいとのことで、ブライトロジックでの装着も多い。車載カメラ代わりにドライブレコーダーも搭載しフロントカメラは右ダクト内に収められている。

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メーターやステムはK7/K8ノーマルが使われる。ステムの再組み立て/グリスアップなどの見えない部分への配慮も参考にしたい。タンク上のオレンジのステッカーは辻本さんのものだ。

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燃料タンクはアルミ製に変更し、軽量化も実現するとともに高い位置の重量物が軽くなることでの運動性向上も図れる。車両全体はホワイト×ブラック仕上げで、現行のスズキ車両のSUZUKIロゴのように、ブライトロジックの大判切り文字ステッカーを貼る。

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シートやシートカウルはK7/K8純正で、タンデムシートカバーはK7/K8純正オプション。テールステッカーのPILOTA MOTOは辻本さんのお店。リヤ側のドラレコカメラはナンバープレートホルダー左にセットされる。

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セパレートのハンドルはノーマルで、左右マスターシリンダーはブレンボレーシング。ブレーキ側が鍛造ボディのRMCフォージド、クラッチ側がCNCボディのRMCビレットだ。

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999cc水冷直4のエンジンもK7/K8ノーマルで、左右にヨシムラ・エンジンケースガード(プロテクター)を備える。カーボンフレームカバーもクレバーウルフ製を使う。

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3.50-17/6.00-17サイズの3本スポークホイールやDLC処理が施されたφ43mm倒立フォーク、TOKICO4ピストンのフロントキャリパー、またフロントディスクなどはGSX-R1000K7/K8ノーマル。

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イエロースプリングのリヤショックもK7/K8ノーマルだが、今回車両を仕立てるに当たって新品に交換されている。

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ステップはノーマルプレートを使いつつバーを固定式に変更。ドライブチェーンはRKの525XXWへ換装されている。操作性や軽さを軸にアップグレードも果たしたコンプリートカスタム的車両のパッケージで、そのままでも十分、さらに手を入れるのも楽しそうな作りの車両となっているのだ。

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TOKICOリヤキャリパーやブレーキディスク、アルミスイングアームやリンクまわりもノーマルで、スタンドフックを追加している。右出しの排気系はブライトロジックサイレンサーを装着する。タイヤはブリヂストンRS11で120/70ZR17・190/55ZR17サイズを履く。

取材協力:ブライトロジック

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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