文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事はウェブサイト「ロレンス」で2024年6月3日に公開されたものを一部編集し転載しています。
第3戦の舞台は、先月GPが開催されたもてぎでした
今年の全日本の最高峰、国際A級スーパークラスには黒山健一(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)、氏川政哉(bLU cRU VICTORY)、野崎史高(Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA)の3選手にヤマハのTY-E 2.2が託されています。開幕戦と第2戦では、昨年からTY-Eでフル参戦している黒山がともに2位を獲得していますが、電動車による全日本初勝利は惜しくも達成していませんでした。
第3戦のもてぎは、先月トライアルGPが開催されたました。トライアルGPのトライアル2クラスにも、ヤマハの電動戦士3名はエントリーしましたが、Day1、Day2ともにひとりもリザルトのトップ10に入れないという残念な結果に終わりました。なお
もてぎのトライアルGPのトライアル2クラスでは、Day1にソンドレ ハーガ(ガスガス)が電動車による初優勝を達成。そしてガエル シャタヌ(エレクトリックモーション)がDay1、Day2の表彰台獲得と、電動車による活躍が話題となりました。日本GPの結果を受けて、ヤマハ勢は今回の全日本第3戦に期するものがあったことでしょう。
なんとヤマハTY-E 2.2が、表彰台を独占!
6月2日は小雨、本降り・・・と雨にたたられた天気になりました。そんな難しいコンディションのなか、1ラップ目に首位になったのは氏川でした。減点ゼロの"クリーン"を4つ記録し、最大減点5は3つに抑える堅実な走りで減点21にまとめあげます。
1ラップ目の2位と3位もTY-E勢の野崎と黒山が続き、今年開幕から2連勝しランク首位に立つ小川友幸(ホンダ)は5位と出遅れるかたちに・・・。後半の2ラップ目も減点21とした氏川が首位。1、2ラップの合計では氏川42点、黒山49点、野崎53点と、TY-E勢が1-2-3を堅持しました。
最後のSS(スペシャル セクション)は、雨が強まったことによりセクション設定を変更。SS1つ目のセクションを氏川は足着き1回の、最小減点1でクリア。2位黒山との差はこの時点で6点となったため、最終セクションの前に氏川の優勝が決まりました!
SSの1つ目セクションを黒山と野崎はクリーン。最終セクションもそれぞれ減点1点でまとめ、それぞれ2、3位を獲得。ライバル勢の追撃が届かなかったため、見事ヤマハが表彰台を独占することになりました!
第3戦の結果、ランク争いはホンダの小川が61点で首位をキープするものの、2位黒山との差はわずか1点に縮まりました! 3位には氏川(51点)、4位に小川毅士(ベータ、37点)、そして5位に野崎(36点)が続く状況になっています。
昨年度からフル参戦したTY-Eはついに勝利を記録したわけですが、ヤマハが開幕前に掲げた目標はあくまで全日本タイトルの獲得です。その目的が達成されることになるのか、今後のシリーズの流れに注目しましょう。なお次戦、第4戦北海道・和寒大会は7月14日にわっさむサーキットで開催される予定です。
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)