文:丸山淳大/モデル:mii/写真:関野 温
洗車の手順
【今回洗車する2台】
1.水で濡らしたくないところをガードする
やらないと必ずバイクが壊れるというわけではないが、洗車前にやっておきたいのが濡らしたくない部分の養生(マスキング)だ。洗車初体験のmiiちゃんにもその必要性を説いて実践してもらった。半信半疑でやってくれたぞ!
水を掛ける前に一旦落ち着きましょう
バイクは、エンジンやメーター、スイッチボックスなど、本来水に濡らしたくないものが外に露出している。ただし、市販車の場合、雨天時のライディングも想定されているので、各部はしっかり防水処理がされている。
だが、新車から間もないうちは良いものの、10年、20年が経過すれば防水性が低下することもある。さらに洗車時は本来想定されていない、車体後ろや下からといった方向から水をかけることになるので、事前に濡らしたくない箇所を養生(マスキング)しておくと良いだろう。
また、車体各部の水が溜まって困る部分には必ず水抜き穴(ドレン)が設けられている。この穴が詰まっていないかも洗車前にチェックしておきたい。
2.エアーダスターで穴に詰まったゴミを吹き飛ばす
使うのはコレ!
なにかと便利な事務用エアダスター
汚れや軽度のサビなら、スプレー式のエアダスターで吹き飛ばして掃除できる。エンブレムの隙間など洗車後の細部の水切りにも最適。洗車以外でもキャブメンテなどに使えるぞ!
3.汚れのひどい下まわりから洗う
汚れ具合や季節に応じて洗う順番を変える
洗車時は車体の上から順に洗うのがセオリーだが、足まわりの汚れが酷い場合は、順番を逆にして下から順に洗っていくと良い。その理由は、下まわりを洗う時に汚れが飛び散り、せっかく洗った部分が汚れてしまうことがあるからだ。
また、真夏の炎天下での洗車時は水分がすぐに乾燥し、ウォータースポットと呼ばれる水滴の跡が残りやすくなるので、やはり下まわりから洗って、塗装面が濡れている時間をなるべく少なくしたほうが良い。下まわりの汚れには砂利などが含まれるので、塗装面を洗う前にバケツの洗剤を新しいものと交換しておきたい。
細部の洗車には歯ブラシが便利だが、ブラシと柄の角度が付いてないので意外と使いにくい。そんな時は、柄を曲げてしまおう。曲げたい部分にアルミホイルを巻いて、少しライターで炙れば驚きのユリ・ゲラー状態。
折れずに自由な角度に曲げられるのだ。愛車に合った角度の自作ブラシがあれば洗車がさらにはかどるぞ!
4.バケツの洗剤を作り直して外装類を洗車
「常に優しく」を心がけ外装を美しく保とう
頑固な下まわりの汚れを落としたら、次に外装類の洗浄を行う。バケツの洗剤を新たに作り直してから洗車に臨もう。外装ペイントのクリア層やスクリーン表面は非常に柔らかく、傷つきやすい。目に見えないような細かなスクラッチ傷が増えていくことで段々と輝きや透明度が失われていってしまうので、注意しよう。
そうした傷を付けないためにも、擦る前にしっかり水をかけて、たっぷりの泡で優しく洗うように心がける。外装を洗うのは洗車スポンジやマイクロファイバーミトンが最適だ。硬いブラシは傷の原因になるので使わないようにしよう。
店主 マルの結びの一言
バイクメンテのスタートにも洗車がオススメ
メンテナンスはすべてショップにお任せという人も、洗車は自分でやってみるのがオススメだ。愛車がきれいになれば愛着が深まるし、各部を観察することで、メカニズムへの興味も湧く。
しかし、他人のバイクとなると洗車のモチベーションはだだ下がりな訳で、今回もちょろっと磨いて誤魔化そうと思っていたら、まさかのmiiちゃんがしっかりキレイにしてくれちゃって、ハチ黒もご満悦ですよ。
あれ? これ、miiちゃんスキルアップしていくに従い、私不要論高まるのでは!?
文:丸山淳大/モデル:mii/写真:関野 温