レースで培ったセッティング力を応用しつつまとめる

かつてはレースメカニックとしてJSBや鈴鹿8耐などに参戦、並行して’02年にm-techを開店した、同店代表の松本圭司さん。

「開店当時はまだカスタムブームの真っ最中で、当時の主流はRKや後期型、17インチを履いた油冷のGSX-Rでした。時代は進んで今はむしろ、油冷では18インチの前期型を、という声が多くなりましたね。どちらの場合でも当店では中古車を販売する時にも、まずは極力スタンダードの状態を復元して、ベストコンディションで乗り出せる車両を作る。当店は量販店ではないし、整備もカスタムもやりますし、チューニングの相談にも乗ります。そうこうするうちにGSX-Rシリーズも純正部品の廃番化が進んで、あれが足りない、これが足りないとなって、次々とリプロパーツをラインナップすることになった。それが実情なんですよ」と、松本さんは笑う。

画像1: レースで培ったセッティング力を応用しつつまとめる

今ではこのように油冷GSX-Rの中古車(松本さんが言うようにコンディションは良好だ)販売やカスタムが主体となっているわけだが、松本さんの手腕を頼って現行車を持ち込むユーザーも少なくない。この’16年型GSX-R1000(L6)もそんな1台かと思うと……。

「いや、もともとは油冷車に乗られていたオーナーさんなんですよ。今のGSX-Rに興味を持たれて、新車購入に至ったんです。それでとにかくライディングに集中できるようにしたい、走る、止まる、曲がるを突き詰めたいとカスタムの相談をいただきましたが、まずエンジンは今どきのスーパースポーツですからパワーは十分。ブレーキもそこそこ止まりますから、最初は前後サスから手を付けました。走るし止まるから、“曲がる”から手を付けたわけです。それからブレーキ、ホイールの順。良いパーツもただ付けただけでは乗り味もちぐはぐになりますから、そこはきちんと順番を決めて、私たちがモータースポーツで培ったノウハウで、バランスを見ながらセットアップしていった車両なんです。ただ、オーナーさんは走りにどん欲な方で、今は現行最終型(L7~M2)のGSX-R1000に乗り換えられて、この車両はFOR SALEとなりました(笑)」とも松本さん。

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話を聞いてほどなく、この車両は新たなオーナーが付いたとのことで、この車両に込められた意味も理解してくれることだろう。そして前オーナーがこの車両で知った走る、止まる、曲がるのエッセンスは、次の車両にもしっかりと反映されていそうだ。

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フロントブレーキマスターシリンダーはブレンボレーシングで、レーバーはワイヤ駆動のクラッチレバーともにTWM製の可倒式に変更した。

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軽量なZETA製トップブリッジをヨシムラ製アルミステムナットで留める。メーターはノーマルでオーリンズ倒立フロントフォークのトップにはオプションのハンドイニシャルアジャスターを追加。ハンドルまわりには締結剛性を高めるべくチタンボルトが奢られる。

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ノーマルでは滑るということでシートはオリジナル表皮で貼り替え。クレバーウルフ製タンクカバーとフレームサイドのストンプグリップでライディング時のマシンホールド性も向上させている。

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ステップはストライカー・スペシャルステップキット6ポジションを選択し、BAZZAZクイックシフターを組み合わせる。ドライブチェーンはD.I.Dの520ZVM-Xにコンバート。

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エンジンはノーマルでヨシムラ・サービスホールプラグやGSGmoto製スライダーを装着。ボディまわりにも、軽量化とドレスアップに効くチタンボルトがふんだんなく使われているのも注目だ。

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排気系はヨシムラのスリップオンR-11サイクロンEXPORTスペック。ピボット部に備わるブライトロジック製エキセントリックピボットアジャスターはリヤショックリンクとも、ケビン・シュワンツ/辻本 聡/青木宣篤がGSX-R1000で参戦した'14年の鈴鹿8耐で同店・竹中さんと一緒に考えた数値で製品化されたものという。ピボットシャフトはm-techオリジナルのクロモリ製だ。

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オーリンズFGRT205倒立フォークに装着されるブレンボGP4-RXラジアルCNC4Pキャリパーは適正位置にマウントするためにワンオフでアルミカラーを製作。ディスクはブレンボ・スーパースポーツ。カーボンフェンダーはクレバーウルフ製でアクスルシャフトはこちらにもm-techクロモリを使う。

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前後ホイールはO・Zレーシングのアルミ鍛造、GASS RS-Aでサイズは3.50-17/6.00-17。リヤアクスルシャフトもm-techオリジナルのクロモリ製。リヤフェンダーはクレバーウルフ製カーボンだ。

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リヤブレーキはブレンボGP2-SS CNC 2Pキャリパーにゲイルスピード・モノフローティングディスクローターを組み合わせた。

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スイングアームはL6純正でオーリンズTTX GP 2018ショック(SU466)、ブライトロジック製リヤショックリンクキットとともに装着する。

取材協力:m-tech

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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