オーダーでの車両製作時にも凝らされる各部への配慮
スズキGSにカタナを含むGSX各車。続くGSX-Rも油冷、水冷、もちろん750/1100に1000と、多くの販売車両、そしてオーナーオーダーによるカスタムを作ってきたブライトロジック。歴代のヨシムラGSX-Rレーサーのレプリカも多数製作し、GSX-Rはむしろここに自然に集まってくると言った方がいいだろうか。いずれの車両でも変わらないのは、同店・竹中さんがいつも考える“正しい機能を引き出すというベースをきっちり作り込む”ということだ。
そこでこの車両だ。トリトンブルーメタリックの車体色にサイドの大きなSUZUKIロゴでそれと分かる最新型GSX-R、R1000RのM2(’22年型)。オーナーが依頼した車両で、耐久レーサースタイルで多くの部分をアップグレード化したというカスタムだ。いわゆるフル装備だが、これもただパーツを付けていくだけでない配慮があちこちになされる。
![画像1: オーダーでの車両製作時にも凝らされる各部への配慮](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/06/17/0d891e7dd1288df0ade9ae20310277dafc6b5218.jpg)
前後のMAGTAN JB4ホイールやオーリンズフロントフォーク/TTXリヤショックは、換装する際に清掃と給脂が行われる。ブライトロジックでは対象が新車、新品パーツであっても変わらない点だ。言われれば、あるいは実際を見れば当然と思えるが、意外に十分に施されていないことも多い部分でもある。高性能だから、新車だからでなく、きちんと確認した上で、その性能を正しく引き出す。そんな作業だ。GSX-Rシリーズならなおさらと言える箇所かもしれない。リヤホイールに入るダンパーラバーも、いったん外してラバーグリスを塗布した上で組み直す。変速や加減速の際にリヤホイールに起こる衝撃を正しく緩和させる。そんな、エンジンに影響を与える(場合によっては壊れる)大事な部分だから、施すのだという。
フロントマスターシリンダーはブライトロジックの当然と言えるブレンボに。タッチの良さ、リニアな作動を崩さないようにホース長さ(長くなると緩和されてしまう)にも配慮し、リヤはロックさせないようにセッティングされる。
![画像2: オーダーでの車両製作時にも凝らされる各部への配慮](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/06/17/ee939d787c12bca4c085a9e5fed12ceaede69afc.jpg)
細かい部分では、これも同店のGSX-R1000では定番だが、ミラーを純正のカウル表側から、裏側マウントに換えてスマート化を図っている。また、車両が仕上がった後にオーナーが乗った上で車高も調整キットを作って改めて調整するなど、フィッティングも詰めている。これも当然と言えば当然なのだろうが、いい車両作りには重要。全体のまとまりもさることながら、こうした点にも注目だ。なおこの車両、この後にアップデートが施されるのだが、それは別のテーマを持っているので、改めて紹介したい。
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Detailed Description 詳細説明
![画像1: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/06/17/ff64133ae953dc09df2a8f9503a7074f20b7bc5a.jpg)
フロントカウルはヘッドライトも含めてクレバーウルフの'17~ストリートフルカウル換装して純正カラーでペイント。ミラーはマジカルレーシング・レーサーレプリカミラーのタイプ4ヘッドを、純正のようなカウル表でなくカウル内側のステーでマウントし、マス軽減と見やすさ向上を図る。これで空いたカウル側のマウント穴はSPEEDRAミラーホールカバーで塞いでいる。
![画像2: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/06/17/b86a81add272c5e4732ae45d7b20c655673aaef6.jpg)
テアリングステムはノーマルでフロントマスターはブライトロジックでは交換必須と考えるブレンボ製に換装。RCSコルサコルタが使われる。ワイヤ駆動式のクラッチはレバーをブレンボ・メカニカルクラッチレバーに換装。ハンドルグリップはヨシムラ製だ。
![画像3: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/06/17/5a8ed7177ce54d3d96a52542c238bdcca10d3678.jpg)
ウインカーは超小型LEDの製品を左右のサイドカウル前端とナンバーホルダーサイドに装着している。インナーフェンダーの着脱もスムーズに行えるようにし、ナンバーホルダーとここにつながるリヤの配線、ミラーを外せばすぐサーキット走行もできるように工夫される。
![画像4: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/06/17/120dae3be5b706f2a3d11bc3169437893c69bc4e.jpg)
シートカウルもクレバーウルフの耐久シートカウルに換装し、純正スタイルのグラフィックを施した。
![画像5: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/06/17/67e5731c8de4cdbd7b8cb0bf1fef5a0dbb3a21b6.jpg)
水冷DOHC4バルブ直4の999ccエンジンやアルミツインスパーフレームはノーマルでエンジンサイドにGB RacingのFIM公認エンジンカバーを装着。カウルの分割部に使われるクイックファスナーからも外装を変更していることが分かる。
![画像6: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/06/17/49053eea7621dd084d90338b39f8d6d428a88bdd.jpg)
ステップキットはヨシムラX-TREADを使う。ドライブチェーンは純正に同じ525サイズで、RKの525XXWをチョイス。
![画像7: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/06/17/d01e7596188670279f3ab174ed71fa442e0e9ae1.jpg)
フロントフォークはオーリンズFGRT224(FG R/T NIX)でフロントブレーキはブレンボCNC 4Pレーシングラジアルキャリパーにブレンボ・スーパースポーツディスク。ベビーフェイス・アクスルスライダーも備える。
![画像8: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/06/17/84b5a7247e47a2a3395a762cf94b14abe10f9e88.jpg)
リヤショックはオーリンズTTX 2018GP(SU468)をセットした。
![画像9: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/06/17/99f0c86b116cfce5763c5604e246aa9f00c0206c.jpg)
リヤブレーキはブレンボGP2-SS 2Pキャリパーにサンスター・ワークスエキスパンドディスクの組み合わせ。サイレンサーはヨシムラR-11SqサイクロンのSTチタンカバー。
![画像10: Detailed Description 詳細説明](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2024/06/17/c121c538df5325c3c533c44f7721d6dc9b3845ad.jpg)
ホイールはMAGTAN JB4で純正に同じ3.50-17/6.00-17サイズを履く。綾織りカーボン製のチェーンガードおよびリヤフェンダーはマジカルレーシング。キジマ製ヘルメットロックにドライブレコーダー用リヤカメラをセット、ベビーフェイス製レーシングフックも備える。