走行たったの7000km! の上物RKを贅沢にリメイク

GSX-Rシリーズを主として純正廃番となった油冷車用パーツの再現に力を入れる京都のm-tech。ショップでも良好な車両を入荷した上で極力スタンダードの状態を復元し、ベストコンディションで乗り出せるように作り、店頭販売している。

同時に、そうした車両も含めた油冷機のコンディション維持も視野に入れ、かつ、油冷オーナーが純正パーツ廃番で困ることを減らそうと次々とリプロパーツをラインナップしてきた。スロットルワイヤやスロットルバルブにフロートバルブ、メータースポンジにRK用メインハーネス、ICレギュラーターにチェーンプラー、油冷GSX-R用リヤサスリンクベアリング。既に販売を始めたものもある一方で開発を進めつつあるものも多数。さらに各部パーツ再生を現代流に解釈したレストア×モディファイ=レストモッドの手法や3Dプリンタ/3次元測定器、マシニングセンタを駆使した車両再生技法も行っている。

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そこでこの’89年型GSX-R750RK(国内では限定500台を販売)だが、油冷機に寄り添っていくそんな同店のスタンスが読みとれる車両だ。

「このRKは業者オークションで落札したのですが、オドメーターも7000km程度と、コンディションの良い1台だったんです。いい状態のRKを探しておられた関東のお客さんが購入してくださいました。相談の上、RK専用のFRP外装のリペイントに始まり、当店で販売中のリプレイスパーツ群も全投入しながら、新車時の乗り味を再現するのがテーマ。実は(撮影時点が)ようやく仕上がったばかりなんです。この仕上げに合わせて、一旦休止していた当店オリジナルのチタンフルEXも復活させました。今回はエキパイをミラーフィニッシュ仕様として、オーナーが乗り込んで焼き色を付ける仕様としています。これもチタンEXを手にした人だけの特権ですから、ゆっくり楽しんでほしいですよね」とm-tech・松本さん。

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m-techのリプロパーツとストックパーツを投入しながら贅沢にリメイクしたこの手法、これからも有効になりそうだ。ただ、このような良コンディション車は運良く入手できたもので、今後はなかなか出ないかもとも松本さん。それでも、良好な状態の現車が目の当たりに出来るということ、m-techの手法/パーツが使えるということは、こうした車両を作るための参考になるはずだ。

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外装類は純正のカラーリングを忠実にリペイント済み。純正風クリアスクリーンはスクリーンクラフトで、左ダクト下にはデイトナ・ドライブレコーダーのフロントカメラも上手にレイアウトされる。

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真下から指針が動き始めるメーター、エンジン回転計は3000rpmから作動する。そのメーターを保持するスポンジパネルはm-techによるリプロパーツで、状態維持に大きく役立つ。純正セパレートハンドルの左側基部にはヨシムラPRO-GRESS1メーターを追加した。

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同年レギュラーモデル(GSX-R750[K])のスチール製より2kg軽量化されたRK純正アルミタンクの容量は19L。新車のようにきれいな仕上がりを見せる。

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TTF-1レースのホモロゲーションモデルとして当然シートはシングル仕様でFRP製だが、ストリートモデルとして、キー付きのリヤカウル内には小物を収納できるスペースも設けてある。

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状態が良かったので2バルブ1ロッカーアームのカムシャフトまわりの確認とタペット調整だけで済んだ、というエンジンはSTD。軽く腐蝕が進んでいたアルミフレーム表面もリフレッシュされた。

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BST40キャブレターのインナーパーツもm-techが揃えるリプロパーツを使いながらオーバーホールが施されている。参考にしたい部分だ。

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点サビが浮いていたフロントフォークのφ43mmインナーチューブは東洋硬化で再めっき&研磨処理。アウターチューブはヘアライン仕上げを施した上でクリア塗装している。フロントブレーキまわりではホースをステンレスメッシュ化し、ダイレクト感を高めている。

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リヤトルクロッドはスイングアームに直付けしてリジッド化。スイングアームやステップなどはGSX-R750RKの純正そのままを使う。

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3.50-17/5.50-17サイズの中空3本スポークホイールも純正を再塗装仕上げ。ドライブチェーンはD.I.Dの525VX3で現代化済み。

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マフラーは再生産を開始したm-techのオリジナル・チタン。ミラーフィニッシュで乗り込むほどに焼き色が付き“育てる”感覚も楽しめる。

取材協力:エムテック

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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