オーストリア・KTMが2008年に発売したRC8は、ロードレース参戦も視野に入れたという本格スーパースポーツだった。2016年に販売された上位モデルのRC8Rをもって同車の系譜は途絶えたが、そんなRC8向けに、今もオリジナルパーツを揃えるのがKTM KOBE EASTだ。同店のデモバイクを眺めながら、「今、改めて楽しむなら?」を検証してみたい。
※本企画はHeritage&Legends 2024年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

渋好みのカスタムをKTMのレジェンドSSに投下!

画像: ▲KTM RC8は2008年デビュー。翌’09年には上位モデルとなるRC8Rも追加された。RC8シリーズ向けに新開発し搭載されたV型2気筒のLC8エンジンの排気量は1148㏄。最高出力は72kw(98PS)/6800rpm、乾燥重量は188㎏と、当時のSS系モデルでは標準的なパフォーマンスだったが、同車が醸し出すエッジの効いたオリジナリティあふれるデザインに今もファンは多い。残念ながら2016年型で終売となった、KTMのレジェンドモデルなのだ。

▲KTM RC8は2008年デビュー。翌’09年には上位モデルとなるRC8Rも追加された。RC8シリーズ向けに新開発し搭載されたV型2気筒のLC8エンジンの排気量は1148㏄。最高出力は72kw(98PS)/6800rpm、乾燥重量は188㎏と、当時のSS系モデルでは標準的なパフォーマンスだったが、同車が醸し出すエッジの効いたオリジナリティあふれるデザインに今もファンは多い。残念ながら2016年型で終売となった、KTMのレジェンドモデルなのだ。

オーストリア・KTMの古くからのディーラーとして、また同じピエラー・モビリティAGのグループ会社であるハスクバーナ・モーターサイクルズとWPサスペンションの国内正規販売店の顔も持つインパラ。同社代表の山鹿延也さんは、そのKTM向けを中心に、知る人ぞ知るサスペンション・スペシャリストだ。

画像: 渋好みのカスタムをKTMのレジェンドSSに投下!

近年では、KTMやハスクバーナ・モーターサイクルズ向けに前後サスのモディファイによるローシャシー化、さらにはシート加工を組み合わせてのローダウンメニューで、小柄なライダーも両車を楽しめるモディファイメニューを提案する。その特長は、ライダー個々の体型に合わせてサス内部のパーツを組み替え足着き性をよくしつつ、キャスター角、前後重量バランスや乗車時の沈み込み量など純正の数値を崩さない作り。短いバネ長のスプリングへの交換だけ、あるいはサスの減衰調整だけで足着き改善するのと違い、ハンドリングは純正同等、もしくは遙かに乗りやすく仕上げる。

画像: ▲KTM、ハスクバーナ・モーターサイクルズ、WPサスペンションの各KOBE EAST店を束ねるインパラの山鹿延也代表。背景はWPサスのモディファイ専用ラボで、ホコリ清浄器を完備したクリーンな室内となっている。

▲KTM、ハスクバーナ・モーターサイクルズ、WPサスペンションの各KOBE EAST店を束ねるインパラの山鹿延也代表。背景はWPサスのモディファイ専用ラボで、ホコリ清浄器を完備したクリーンな室内となっている。

画像: ▲広く明るいショールームにはKTMとハスクバーナ・モーターサイクルズの最新モデルが展示される。

▲広く明るいショールームにはKTMとハスクバーナ・モーターサイクルズの最新モデルが展示される。

画像: ▲ショールームの一角にディスプレイされた、オリジナルのローシート製品群。

▲ショールームの一角にディスプレイされた、オリジナルのローシート製品群。

さて、ここで紹介のRC8はそんな山鹿さんが製作したデモバイク。先のサスモディファイはフロントフォークの10㎜ショート加工とインナーチューブへのチタンコート程度。純正の雰囲気を壊さない、山鹿さんのこだわりでパッと見で変更点が分からない、『究極の玄人好み』と表現すべき1台だ。中でも注目は削り出しトップブリッジ、ハンドルバー、ミラーエクステンションなどパッケージした、RC8/R専用『削り出しバーハンドルKIT』。合わせて装着される『形状変更シート加工』は、アップライト化したライディングポジションでも乗車時の座面が最適にフィツトするようシート前部分10mm上げた形状で作成し、さらにトップとサイドの形状を変更することで足着きも向上させている。

さらにオーナーが望めば、先のローシャシー・モディファイでさらなる足着き改善もできるのだ。

「国産車も今ではシート高が気になるモデルが多いでしょ。純正オプション設定のローシートだけでは乗り心地や走る楽しさへの解決にはなりません。今のウチの、WP KOBE EASTの業態は僕の理想とするカタチの道半ば。体制が整えば、国産車のライダーに向けての、ローシャシー・モディファイにも対応したい」と山鹿さん。

このRC8、そして山鹿さんの仕事を目にしたら「自分の国産SSも」、と考えるライダーは少なくないはず。期待して待とう。

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デモバイクに見る、今も手に入るRC8向けオリジナルパーツ!

画像: ▲削り出しバーハンドルKIT』は24万6000円。中核となるトップブリッジはディメンションの違う〜2010年と2011年〜の、オフセットの違う2モデルがある。ともに純正のメーターやステアリングダンパーがそのまま使える。トップブリッジ単体の販売(7万7000円)も可能だ。

▲削り出しバーハンドルKIT』は24万6000円。中核となるトップブリッジはディメンションの違う〜2010年と2011年〜の、オフセットの違う2モデルがある。ともに純正のメーターやステアリングダンパーがそのまま使える。トップブリッジ単体の販売(7万7000円)も可能だ。

画像: ▲オリジナル形状変更シート加工』は8万3600円。内部スポンジベースに衝撃吸収材のT-NETを挿入して表皮にはエクセーヌを使用、オレンジカラーのWステッチ仕上げ仕上げもワンポイントに。

▲オリジナル形状変更シート加工』は8万3600円。内部スポンジベースに衝撃吸収材のT-NETを挿入して表皮にはエクセーヌを使用、オレンジカラーのWステッチ仕上げ仕上げもワンポイントに。

画像: ▲KTM製LC8エンジン搭載車に共通して使える、レバー操作を軽くする『クラッチレリーズピストン』は3万9800円だ。

▲KTM製LC8エンジン搭載車に共通して使える、レバー操作を軽くする『クラッチレリーズピストン』は3万9800円だ。

画像: ▲サスペンションは、フロント、リヤともに体重60〜75㎏に合わせたレートのKOBEオリジナルスプリングに変更済み。

▲サスペンションは、フロント、リヤともに体重60〜75㎏に合わせたレートのKOBEオリジナルスプリングに変更済み。

取材協力:KTM KOBE EAST/WP KOBE EAST/Husqvarna KOBE EAST

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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