※本企画はHeritage&Legends 2024年6月号に掲載された記事を再編集したものです。
渋好みのカスタムをKTMのレジェンドSSに投下!
オーストリア・KTMの古くからのディーラーとして、また同じピエラー・モビリティAGのグループ会社であるハスクバーナ・モーターサイクルズとWPサスペンションの国内正規販売店の顔も持つインパラ。同社代表の山鹿延也さんは、そのKTM向けを中心に、知る人ぞ知るサスペンション・スペシャリストだ。
近年では、KTMやハスクバーナ・モーターサイクルズ向けに前後サスのモディファイによるローシャシー化、さらにはシート加工を組み合わせてのローダウンメニューで、小柄なライダーも両車を楽しめるモディファイメニューを提案する。その特長は、ライダー個々の体型に合わせてサス内部のパーツを組み替え足着き性をよくしつつ、キャスター角、前後重量バランスや乗車時の沈み込み量など純正の数値を崩さない作り。短いバネ長のスプリングへの交換だけ、あるいはサスの減衰調整だけで足着き改善するのと違い、ハンドリングは純正同等、もしくは遙かに乗りやすく仕上げる。
さて、ここで紹介のRC8はそんな山鹿さんが製作したデモバイク。先のサスモディファイはフロントフォークの10㎜ショート加工とインナーチューブへのチタンコート程度。純正の雰囲気を壊さない、山鹿さんのこだわりでパッと見で変更点が分からない、『究極の玄人好み』と表現すべき1台だ。中でも注目は削り出しトップブリッジ、ハンドルバー、ミラーエクステンションなどパッケージした、RC8/R専用『削り出しバーハンドルKIT』。合わせて装着される『形状変更シート加工』は、アップライト化したライディングポジションでも乗車時の座面が最適にフィツトするようシート前部分10mm上げた形状で作成し、さらにトップとサイドの形状を変更することで足着きも向上させている。
さらにオーナーが望めば、先のローシャシー・モディファイでさらなる足着き改善もできるのだ。
「国産車も今ではシート高が気になるモデルが多いでしょ。純正オプション設定のローシートだけでは乗り心地や走る楽しさへの解決にはなりません。今のウチの、WP KOBE EASTの業態は僕の理想とするカタチの道半ば。体制が整えば、国産車のライダーに向けての、ローシャシー・モディファイにも対応したい」と山鹿さん。
このRC8、そして山鹿さんの仕事を目にしたら「自分の国産SSも」、と考えるライダーは少なくないはず。期待して待とう。
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