今のバイクしか知らない世代には、XSR900 GPの世界観は新鮮に見えると同時に、少し違和感を覚えるのかもしれない。しかし、それは決してマイナスな要素ではない。まっさらな気持ちで2台に接することができるノアの評価とは?
以下、文:ノア セレン/写真:南 孝幸

ヤマハ「XSR900 GP ABS」VS ヤマハ「XSR900 ABS」|深掘りチェック

1.シート

画像: XSR900 ABS

XSR900 ABS

画像: (奥)XSR900 GP ABS、(手前)XSR900 ABS

(奥)XSR900 GP ABS、(手前)XSR900 ABS

開発者の意図もわかるが……これはちょっとキツイか?

XSRの方はシートとタンクの間にサイドカウルが割り込んでるようなデザインで、ライダーを後方に座らせることでクラシカルな乗車感を楽しんでもらおうという意図はわかる。でもケツが痛いっす‼

GPの方はクッション厚が増して少しシート高も上がったけど俄然快適。そしてタンクに寄って座れるなど着座位置の自由度も高く◎だ。


2.フォルム・デザイン

画像1: XSR900 GP ABS

XSR900 GP ABS

画像2: XSR900 GP ABS

XSR900 GP ABS

カッコいいだけじゃないんだ! あらゆる体形にフィットする

僕みたいに胴長だと加速時やシフトチェンジ時にヘルメットをスクリーンにぶつけちゃうことも多いのだけど、GPのスクリーンは大型でしかもヘルメットが収まる形状。高速道路でもサーキットでもカウルが邪魔になることはなく、かつ常に防風性も高かった。

全体的に美しいGP、タイヤの空気圧ステッカーをさりげなくステッププレートの裏に忍ばすヤマハのセンスにも脱帽。

ノア セレンが選ぶ2台共通の “極品” ポイント

画像1: 【比較インプレ】ヤマハ「XSR900 GP」VS 「XSR900」〈ノア編〉80年代バイクブームを知らずとも楽しめる2台!

「SPINFORGED」のロゴがカッコ良いぜ!

鋳造でありながら、リム部を加熱しながらギュッと締めていく「回転塑性加工」を施すことで鍛造に近い結果を追求。軽量で強靭、加えてロゴまで入ってカッコ良さにも磨きがかかっている。


画像2: 【比較インプレ】ヤマハ「XSR900 GP」VS 「XSR900」〈ノア編〉80年代バイクブームを知らずとも楽しめる2台!

こんな細かいところにありがたさが潜む

今どき珍しく、ハンドルロックを左だけでなく右に切った時にも使えるようになっていた。特にハンドル幅の広いXSRでは駐輪場などで助かる設定と言えるだろう。

ヤマハ「XSR900 GP ABS」VS ヤマハ「XSR900 ABS」|総合評価

画像: それぞれ魅力的だけど、他に4つも選択肢があることも忘れずに

それぞれ魅力的だけど、他に4つも選択肢があることも忘れずに

懐かしのルックス VS 懐かしの乗り味

2台とも直感的に「楽しい! 」と思えるのは、やはり熟成の進んだ3気筒エンジンのおかげだと思う。4気筒にはない個性や音があり、それがMTワールドを作り出している。

ただ、XSRは先代に対してずいぶん大柄になったことと、ハンドリングに明確な個性があることなど、好き嫌いが分かれそうという印象はある。車体の反応や足まわりの自然さという意味ではGPの方が一枚ウワテだし、ルックス的にも印象に残りやすいと思う。

ただGPはそれなりに前傾で、ワインディングやサーキットでは楽しいけどツーリングはちょっと辛そう。またいずれもパワーはあるものの、MT-09のようなぶっ飛んだツキヌケ感は薄かった。

やはりヘリテイジモデルというカテゴリー、適度なユルさはZ900RSなどの仲間なのだ、とも思わせられた。個人的にはMT-09 SPかトレーサーの方を選ぶと思うけど、強い個性がお好みならコチラの2台だ。

画像: YAMAHA XSR900 GP ABS

YAMAHA XSR900 GP ABS

公道でのエンジンは全域トルクフルでとても魅力的、パワーも十分。ただサーキットに行くと「もう少し高回転域があっても良いかな」とも思えた。上質サスでハンドリングは上々。シートが良くて尻は快適だが、僕には前傾がきつく快適とは言いにくいか。防風性は+ポイント。


画像: YAMAHA XSR900 ABS

YAMAHA XSR900 ABS

エンジンの好印象はGP同様だが、GPを知ってしまうとサスはベーシックに感じることもあるし、独特の乗車姿勢はハンドリングを活かすにもコツが要る。シートが痛すぎ&ハンドル幅広すぎで快適性は辛口採点。メーターの小ささも……。GP同様のモデルチェンジに期待。

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ヤマハ「XSR900 GP ABS」VS ヤマハ「XSR900 ABS」|スペック・価格・燃費・製造国

XSR900 GP ABSXSR900 ABS
全長×全幅×全高2160×690×1180mm2155×790×1155mm
ホイールベース1500mm1495mm
最低地上高145mm140mm
シート高835mm810mm
車両重量200kg193kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列3気筒水冷4ストDOHC4バルブ並列3気筒
総排気量888cc888cc
ボア×ストローク78.0×62.0mm78.0×62.0mm
圧縮比11.511.5
最高出力88kW(120PS)/10000rpm88kW(120PS)/10000rpm
最大トルク93N・m(9.5kgf・m)/7000rpm93N・m(9.5kgf・m)/7000rpm
燃料タンク容量14L(無鉛プレミアムガソリン指定)14L(無鉛プレミアムガソリン指定)
変速機形式6速リターン6速リターン
キャスター角25°20'25°00′
トレール110mm108mm
タイヤサイズ(前・後)120/70ZR17M/C(58W)・180/55ZR17M/C(73W)120/70ZR17M/C(58W)・180/55ZR17M/C(73W)
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスクダブルディスク・シングルディスク
燃料消費率 WMTCモード値21.1km/L(クラス3, サブクラス3-2) 1名乗車時20.4km/L(クラス3, サブクラス3-2) 1名乗車時
製造国日本日本
メーカー希望小売価格143万円(消費税10%込み)125万4000円(消費税10%込み)

文:ノア セレン/写真:南 孝幸

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