1958年の発売以来、世界中で累計販売台数1億台を突破し、今もなおロングセラーを続けているカブシリーズ。時代を越えて愛され続けているカブの足跡をたどってみることにしよう。パート1では、「スーパーカブ C100(1958年)」をはじめ、「ポートカブ(1962年)」「スーパーカブ C65(1964年)」を解説する。
以下、文:栗栖国安/写真:徳永 茂

ホンダ「ポートカブ C240」(1962年)|解説

それまでとは違う層に向けて発売

ポートカブC240は、スーパーカブの持つ高い利便性を広くアピールし、より多くの人に乗ってもらいたいとの願いから登場した。

そのため価格はスーパーカブC100の5万5000円に対し4万3000円の低価格で販売された。コストダウンを図るためウインカーやストップランプをなくし、2速ミッションの採用を含めてエンジン性能も抑えた。

しかし単に簡素化しただけではなく、新作のフレームをはじめ、レッグシールドやカバー類の小型化、タイヤの15インチ化など独自の変更箇所は多岐に渡る。

画像: 自転車と大差ないほどシンプルなハンドル周り。ウインカーやストップランプは非装備だ。ホワイトパネルの小型スピードメーターは60km/hスケール。

自転車と大差ないほどシンプルなハンドル周り。ウインカーやストップランプは非装備だ。ホワイトパネルの小型スピードメーターは60km/hスケール。

画像: 最高出力が2.3PSに抑えられた空冷4ストロークOHV単気筒エンジン。ミッションも自動遠心クラッチの2速と簡略化。発進のみ1速使用となるのでAT感覚で乗れる。

最高出力が2.3PSに抑えられた空冷4ストロークOHV単気筒エンジン。ミッションも自動遠心クラッチの2速と簡略化。発進のみ1速使用となるのでAT感覚で乗れる。

ホンダ「スーパーカブ C65」(1964年)|解説

現在のエンジンのルーツとなるOHCエンジンを搭載

よりパワフルにという次なる目標に向けて開発され1964年に登場したのがC65だ。

実は66年からスーパーカブは第2世代へとモデルチェンジされたのだが、ベースとなったモデルがこのC65。最大の特徴は従来の空冷OHV単気筒から空冷OHC単気筒エンジンへと変わったこと。耐久性や燃費性能を高めると同時に出力特性の向上も実現したのだ。

文:栗栖国安/写真:徳永 茂

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