1958年の発売以来、世界中で累計販売台数1億台を突破し、今もなおロングセラーを続けているカブシリーズ。この記事では、「CT125・ハンターカブ」のご先祖様たちを見ていこう。初代モデル「C105H」から1981年に登場した「CT110」までのモデルを紹介する。
以下、文:栗栖国安/写真:徳永 茂
画像1: ホンダ“CT”&“ハンターカブ”の歴史を解説【カブシリーズを振り返る Part.4】

筆者プロフィール

栗栖国安

1955年生まれ 東京都出身
1982年に二輪雑誌業界に足を踏み入れ、ニューモデル試乗からツーリング紀行まで東奔西走する、バイク歴50年超のバイクジャーナリスト。愛車はホンダ スーパーカブ110(JA44)とヤマハ セロー225を所有する。

野山で遊べる''タフな相棒'' CT125・ハンターカブのルーツを紹介

画像1: 野山で遊べる''タフな相棒'' CT125・ハンターカブのルーツを紹介

世界中で長く愛されるカブ版スクランブラー

従来から根強い人気を誇っていたハンターカブだが、2020年のCT125の発売を機に新規ユーザーを爆発的に増加させた。そんなハンターカブは元々、バイクを遊びの道具として活用することに長けているアメリカの強い要望から生み出された。

ベースとなったのはもちろんスーパーカブで、フレームをはじめとした基本構成は同じ。しかし特徴的なレッグシールドは取り外され、フロントフェンダーも小型のアップタイプを装備。タイヤはブロックパターンのノビータイヤを履く。さらにマフラーもアップタイプとし、エンジンアンダーガードまで装備している。

こうした仕様からもわかるように、野山を駆け回るのに適した特性へと変更されたのがハンターカブなのだ。いうなればスーパーカブのオフロードバージョンである。最初に北米市場に登場したC105Hは、空冷4ストロークOHV単気筒54ccエンジンを搭載したモデルで、大小2枚のドリブンスプロケットとつぎ足すためのドライブチェーンのコマを装備していた。

その後、より力のある90ccエンジンを搭載するようになり、さらに105ccへとスケールアップさせていくこととなった。日本で初めて販売されたモデルは、1968年のCT50である。副変速機を備えて走破性を高めていたのが特徴だ。

そしてハンターカブの代名詞となったCT110が1981年に発売されると、国内での注目度は一気にアップした。オーストラリアなどでは広大な牧場での作業に多く使われていたが、日本ではおもにキャンプツーリングなどに利用されることが多かった。

画像2: 野山で遊べる''タフな相棒'' CT125・ハンターカブのルーツを紹介

歴代のハンターカブ

1963年 C105H

ハンターカブの初代モデル。スーパーカブからレッグシールドやフロントフェンダーを排除し、アップマフラーを装備。大小2枚のドリブンスプロケットにブロックタイヤの装備が特徴的だ。


1964年 トレイル90 CT200

C105Hの後継モデルとして翌1964年に登場したのがCT200だ。基本的にはC105Hで露呈したウイークポイントを改善しフルモデルチェンジさせたもので、エンジンは86.7ccと大型化した。


1966年 CT90

1966年に発売されたCT90の最大の特徴は、エンジンがそれまでのOHVからOHCへと変更されたこと。排気量も89.5ccとなりパワーアップ。さらにフロントサスはテレスコピック式を採用した。


1966年 CT50

日本国内用に初めて発売されたのが、1968年に登場したCT50である。その名の通り49ccエンジンを積む原付一種で、フロントフォークはボトムリンク式。さらに副変速機方式を採用していた。


1981年 CT110

現在はCT125という新たなハンターカブが出現したが、C105H以来のハンターカブの最終型といえるのが1981年に登場したCT110だ。残念なことに日本仕様は1983年に販売終了となった。

文:栗栖国安/写真:徳永 茂

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