Vストローム1050の弟分といえる800&800DEは、その兄貴分とは別の立ち位置にいる、言わば日本向けのアドベンチャー&ツーリングモデルだ。ロードスポーツGSX-8SGSX-8Rとの兄弟モデルでもあるミドルツアラーでもあり、市街地走行から長距離ランまで難なくこなすオールマイティさが光る。大排気量アドベンチャーモデルは初めて、というライダーからエキスパートまで、誰にでも薦められるツーリングには絶好の一台なのだ。
文:中村浩史/写真:柴田直行

スズキ「Vストローム 800」スタイリング解説

画像: 同時期に発表されたロードスポーツ、GSX-8S/8Rと共同開発されたアドベンチャー&ロングツーリングモデル。エンジンは新開発の水冷並列2気筒で、パワーフィーリングやボディサイズとも、まさにミドルクラスツアラーらしい「ちょうどよさ」を強調する、完成度の高いモデルだ。

同時期に発表されたロードスポーツ、GSX-8S/8Rと共同開発されたアドベンチャー&ロングツーリングモデル。エンジンは新開発の水冷並列2気筒で、パワーフィーリングやボディサイズとも、まさにミドルクラスツアラーらしい「ちょうどよさ」を強調する、完成度の高いモデルだ。

画像7: 【レビュー】スズキ「Vストローム800」インプレ|Vストローム1050と役割分担! 軽くコンパクトで扱いやすい日本向けロングツアラー
画像8: 【レビュー】スズキ「Vストローム800」インプレ|Vストローム1050と役割分担! 軽くコンパクトで扱いやすい日本向けロングツアラー

スズキ「Vストローム 800」各部装備・ディテール解説

画像: Vストロームらしい統一感あるルックスを見せる、角形ヘッドライト+クチバシスタイル。ヘッドライト、ウィンカーはLEDで、六角形ヘッドランプがVストローム800特有の存在感を醸し出している。防風性の高いスクリーンは手動で3段階に高さ調節が可能だ。

Vストロームらしい統一感あるルックスを見せる、角形ヘッドライト+クチバシスタイル。ヘッドライト、ウィンカーはLEDで、六角形ヘッドランプがVストローム800特有の存在感を醸し出している。防風性の高いスクリーンは手動で3段階に高さ調節が可能だ。

画像: 5インチのカラー液晶を採用したディスプレイは、ギアポジション表示つき、デジタルスピード&バーグラフ式タコメーター。オド&ツイントリップ、平均&瞬間燃費の表示も、メーター本体側ではなく、左スイッチで簡単に表示を変更できる。

5インチのカラー液晶を採用したディスプレイは、ギアポジション表示つき、デジタルスピード&バーグラフ式タコメーター。オド&ツイントリップ、平均&瞬間燃費の表示も、メーター本体側ではなく、左スイッチで簡単に表示を変更できる。

画像: 3段階に変更できるパワーモード、トラクションコントロールやABSなど、電子制御の設定が簡単にできるシンプルな左スイッチまわり。ABSについては800DEのみ、リアタイヤ側をカットできる機能が装備されている。

3段階に変更できるパワーモード、トラクションコントロールやABSなど、電子制御の設定が簡単にできるシンプルな左スイッチまわり。ABSについては800DEのみ、リアタイヤ側をカットできる機能が装備されている。

画像: ミドルクラスとはいえ、20Lと十分なタンク容量を確保する。カタログ数値ではWMTCモード燃費では22.6km/Lと表示されているが、今回の試乗では20〜24km/Lを記録。燃費がいいのも、この新世代水冷ツインエンジンの重要なキャラクターといえる。

ミドルクラスとはいえ、20Lと十分なタンク容量を確保する。カタログ数値ではWMTCモード燃費では22.6km/Lと表示されているが、今回の試乗では20〜24km/Lを記録。燃費がいいのも、この新世代水冷ツインエンジンの重要なキャラクターといえる。

画像: 2軸一次バランサーの採用でエンジン鼓動を残しながら、振動の少ない回転フィーリングに仕上げられた775ccの新設計水冷並列ツイン。実際に走らせればクラッチ入力が軽く楽で、バックトルクリミッター効果のあるスリッパー機能も持ち合わせている。

2軸一次バランサーの採用でエンジン鼓動を残しながら、振動の少ない回転フィーリングに仕上げられた775ccの新設計水冷並列ツイン。実際に走らせればクラッチ入力が軽く楽で、バックトルクリミッター効果のあるスリッパー機能も持ち合わせている。

画像: エンジン、車体を共通とするGSX-8S/8Rがショートマフラーを採用しているのに対し、Vストローム800/800DEはスイングアーム周辺のグラウンドヒットを防ぐべく、最低地上高を稼ぐロングサイレンサータイプのマフラーへと変更されている。

エンジン、車体を共通とするGSX-8S/8Rがショートマフラーを採用しているのに対し、Vストローム800/800DEはスイングアーム周辺のグラウンドヒットを防ぐべく、最低地上高を稼ぐロングサイレンサータイプのマフラーへと変更されている。

画像: Vストローム800はフロント19インチのキャスト、800DEはフロント21インチのワイヤースポークホイールを、それぞれ採用する。フロントタイヤ幅も800が110、800DEが90サイズを使用していて、乗り比べれば800DEの方が軽快で直進安定性が高めな印象だ。

Vストローム800はフロント19インチのキャスト、800DEはフロント21インチのワイヤースポークホイールを、それぞれ採用する。フロントタイヤ幅も800が110、800DEが90サイズを使用していて、乗り比べれば800DEの方が軽快で直進安定性が高めな印象だ。

画像: 新設計のアルミスイングアームに、伸側の減衰力調整機構付きのリアサスペンションを装備する。工具なしでプリロードを調整できるリモートダイヤルも標準装備した。兄弟モデルのGSX-8S/8Rよりもファイナルレシオが3Tショートとなっている。

新設計のアルミスイングアームに、伸側の減衰力調整機構付きのリアサスペンションを装備する。工具なしでプリロードを調整できるリモートダイヤルも標準装備した。兄弟モデルのGSX-8S/8Rよりもファイナルレシオが3Tショートとなっている。

画像: 前後一体式のシート。カタログ数値上はシート高が825mmと表記されているが、ライダーの内ももに当たる部分のシート形状がうまくシェイプされていて足を降ろしやすく、足着き性はその数字以上に良好なものだ。リアキャリアはグラブバー付き。

前後一体式のシート。カタログ数値上はシート高が825mmと表記されているが、ライダーの内ももに当たる部分のシート形状がうまくシェイプされていて足を降ろしやすく、足着き性はその数字以上に良好なものだ。リアキャリアはグラブバー付き。

画像: ライダー&パッセンジャー一体式のシートは、そのパッセンジャー側下に、ちょうどETC車載器が収まるスペースを確保してある。ETCは標準装備ではないが、純正アクセサリーとして2.0車載器+専用ブラケットが2万9040円(税込み)でラインアップされている。

ライダー&パッセンジャー一体式のシートは、そのパッセンジャー側下に、ちょうどETC車載器が収まるスペースを確保してある。ETCは標準装備ではないが、純正アクセサリーとして2.0車載器+専用ブラケットが2万9040円(税込み)でラインアップされている。

スズキ「Vストローム 800」動画・写真

画像: - YouTube www.youtube.com

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スズキ「Vストローム 800」主なスペック・燃費・価格

全長×全幅×全高2255×905×1355mm
ホイールベース1515mm
最低地上高185mm
シート高825mm
車両重量223kg
エンジン形式水冷4ストロークDOHC4バルブ並列2気筒
総排気量775cc
ボア×ストローク84.0×70.0mm
圧縮比12.8
最高出力60kW(82PS)/8500rpm
最大トルク76N・m(7.7kgf・m)/6800rpm
燃料タンク容量20L
変速機形式6速リターン
キャスター角26゜
トレール量124mm
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク
タイヤサイズ(前・後)110/80R19M/C 59V・150/70R17M/C 69V
乗車定員2人
燃料消費率 WMTCモード値22.6km/L(クラス3、サブクラス3-2)1人乗車時
メーカー希望小売価格123万2000円(消費税10%込)

文:中村浩史/写真:柴田直行

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