文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事はウェブサイト「ロレンス」で2024年9月18日に公開されたものを一部編集し転載しています。
日本ではHRCの電動バイク参戦が話題ですが・・・
9月13日にホンダはプレスリリースで、MFJ全日本トライアル選手権の第6戦 和歌山・湯浅大会(10月13日)の国際A級スーパー(IAS)クラスに、電動トライアル車の「RTL ELECTRIC」を参戦させることを公表しました。
ICE(内燃機関)搭載の2輪車を相手に、モトクロスとトライアルは電動車が現時点で活躍できているモータースポーツのカテゴリーということができます。FIM(国際モーターサイクリズム連盟)統括のモータースポーツのなかで、ICE搭載車と電動車が「ガチ勝負」できるイベントの数は少ないですが、全日本トライアル選手権ではヤマハの電動車「TY-E 2.2」が現在タイトル争いを展開中。そしてトライアルの最高峰であるトライアルGPのトライアル2では、スペインのガスガスとフランスのEMがそれぞれ、電動トライアル車でICE搭載車と競い合っています。
今シーズン最終戦で、有終の美を飾る!
スペインの大会は今シーズンの最終戦でしたが、前戦フランス大会までガスガスのS.ハーガがランキング5位、EMのG.シャタヌは同7位という位置につけていました。Day1はフランスで惜しくも優勝を逃すものの首位と同点で2位入賞したハーガが4位、そしてシャタヌは8位という結果になりました。
Day2では、シャタヌとEMの走りが冴えました。1ラップ目を減点4、2ラップ目を減点1でまとめたシャタヌは見事に有終の美を飾る優勝をゲット! 一方でハーガは不振で7位にとどまり、結果ランキングはシャタヌがランキング6位となり、ハーガは7位にランクダウンすることになりました・・・。
特有のトルク変動により後輪のトラクションを生み出すICE搭載車に対し、スムースな電気モーターからトラクションをどのようにして生み出すかが、電動トライアル車の開発の難しさでもあるようです。今年のトライアル2では、ランキング6位と7位を獲得することになった電動車勢ですが、進化の余地は1世紀余の熟成が進んだICE搭載車よりも、発展途上にある電動車の方が大きいでしょう。
全日本選手権で電動車が今年のタイトルを獲得できるか、そしてホンダのRTL ELECTRICのパフォーマンスやいかに・・・がもっぱらの日本トライアル界の関心事(私だけ?)ですが、今週末(9月21〜22日)のFIMトライアル デ ナシオン(国別対抗戦)にはシャタヌがフランス代表、ハーガがノルウェー代表として出場しますので彼らの走りにも注目したいですね。
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)