2024年9月13日〜15日にスペインで開催されたトライアル世界選手権のトライアル2クラスで、フランスのガエル シャタヌが今シーズン開幕戦の日本GP以来の表彰台を、電動トライアル車で獲得しました。なおシャタヌの乗るEM(エレクトリックモーション)のスペイン大会での勝利は、開幕戦で優勝したソンドレ ハーガ(ガスガスTXE)に続く、電動車によるトライアル2での2勝目となりました!
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事はウェブサイト「ロレンス」で2024年9月18日に公開されたものを一部編集し転載しています。

日本ではHRCの電動バイク参戦が話題ですが・・・

9月13日にホンダはプレスリリースで、MFJ全日本トライアル選手権の第6戦 和歌山・湯浅大会(10月13日)の国際A級スーパー(IAS)クラスに、電動トライアル車の「RTL ELECTRIC」を参戦させることを公表しました。

画像: 電動モトクロッサーの「CR ELECTRIC PROTO」で培った電動車技術を活かした、「RTL ELECTRIC」。全日本トライアル選手権でそのハンドルを託されるのは、トライアルGPを戦うレプソル ホンダ チーム監督で、2004年度世界王者の藤波貴久です! global.honda

電動モトクロッサーの「CR ELECTRIC PROTO」で培った電動車技術を活かした、「RTL ELECTRIC」。全日本トライアル選手権でそのハンドルを託されるのは、トライアルGPを戦うレプソル ホンダ チーム監督で、2004年度世界王者の藤波貴久です!

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ICE(内燃機関)搭載の2輪車を相手に、モトクロスとトライアルは電動車が現時点で活躍できているモータースポーツのカテゴリーということができます。FIM(国際モーターサイクリズム連盟)統括のモータースポーツのなかで、ICE搭載車と電動車が「ガチ勝負」できるイベントの数は少ないですが、全日本トライアル選手権ではヤマハの電動車「TY-E 2.2」が現在タイトル争いを展開中。そしてトライアルの最高峰であるトライアルGPのトライアル2では、スペインのガスガスとフランスのEMがそれぞれ、電動トライアル車でICE搭載車と競い合っています。

今シーズン最終戦で、有終の美を飾る!

スペインの大会は今シーズンの最終戦でしたが、前戦フランス大会までガスガスのS.ハーガがランキング5位、EMのG.シャタヌは同7位という位置につけていました。Day1はフランスで惜しくも優勝を逃すものの首位と同点で2位入賞したハーガが4位、そしてシャタヌは8位という結果になりました。

画像: 開幕戦日本GPでは、トライアル2の表彰台に2度登壇(2位、3位)したG.シャタヌですが、その後は表彰台の機会に恵まれることなく最終戦スペインにのぞむこととなりました・・・。 www.facebook.com

開幕戦日本GPでは、トライアル2の表彰台に2度登壇(2位、3位)したG.シャタヌですが、その後は表彰台の機会に恵まれることなく最終戦スペインにのぞむこととなりました・・・。

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Day2では、シャタヌとEMの走りが冴えました。1ラップ目を減点4、2ラップ目を減点1でまとめたシャタヌは見事に有終の美を飾る優勝をゲット! 一方でハーガは不振で7位にとどまり、結果ランキングはシャタヌがランキング6位となり、ハーガは7位にランクダウンすることになりました・・・。

画像: 表彰台の頂点の上で、笑顔を見せるG.シャタヌ。 www.facebook.com

表彰台の頂点の上で、笑顔を見せるG.シャタヌ。

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画像: EMの最新鋭電動車、「FACTOR-e」。こう書いて「ファクトリー」と発音するところに、フランス流エスプリ?を感じます。 www.facebook.com

EMの最新鋭電動車、「FACTOR-e」。こう書いて「ファクトリー」と発音するところに、フランス流エスプリ?を感じます。

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特有のトルク変動により後輪のトラクションを生み出すICE搭載車に対し、スムースな電気モーターからトラクションをどのようにして生み出すかが、電動トライアル車の開発の難しさでもあるようです。今年のトライアル2では、ランキング6位と7位を獲得することになった電動車勢ですが、進化の余地は1世紀余の熟成が進んだICE搭載車よりも、発展途上にある電動車の方が大きいでしょう。

全日本選手権で電動車が今年のタイトルを獲得できるか、そしてホンダのRTL ELECTRICのパフォーマンスやいかに・・・がもっぱらの日本トライアル界の関心事(私だけ?)ですが、今週末(9月21〜22日)のFIMトライアル デ ナシオン(国別対抗戦)にはシャタヌがフランス代表、ハーガがノルウェー代表として出場しますので彼らの走りにも注目したいですね。

文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)

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