文:太田安治/写真:南 孝幸
リアルスペック BMW「R 1300 GS」用スリップオンマフラー テスト&レポート
待望の「R 1300 GS」用マフラー登場!
BMWはドイツブランドだけに社外カスタムパーツはヨーロッパブランドが多いが、確かな目を持つライダーの指名買い対象になっているのがメイドインジャパンのアールズ・ギア製品。BMWの代名詞である水平対向2気筒エンジン車から、直列2気筒、4気筒、6気筒、単気筒エンジン車用まで、マフラーをはじめとするパーツを幅広く展開している。
市販開始と共に大きな反響を呼んでいるのが、「最強のツーリングバイク」と評されているR1300GS用のマフラー。簡単に交換できるスリップオンタイプで、センタースタンド、純正パニアケースの装着にも対応。もちろん車検OKの政府認証品だ。
試乗して実感したのは、アイドリング近辺の低回転域からツーリングで常用する3000回転台までの力強いトルクと、スロットルの僅かな開閉に対する自然な反応。結果的に発進加速とクルージングがスムーズになり、長時間ライディングでも疲れにくい。
高回転域でのピークパワーの差は感じ取れなかったが、そもそもR1300GSで高回転域まで回し込むシーンなど皆無なので不満を感じようがない、というのが正直なところ。
サイレンサーのエンド部分は2つの排気孔を縦に並べたデュアルポート仕様。排気音量は純正マフラーと大差ないが、曇りが取れたようにスッキリとした音質で、360度等間隔爆発エンジンが醸し出すフィーリングがさらに濃く感じられる。サイレンサー溶接部の美しさ、取り付けステーの精緻な仕上がりはアールズ・ギア製品共通のクオリティだ。
アールズ・ギアはポジション調整関連のパーツも開発中
日本人の体格とツーリングユースを前提とした、ポジション関連パーツの位置設定
アールズ・ギア社長の樋渡氏は自他共に認めるBMWのへービーユーザー。R1300GSも発売と同時に購入してロングツーリングに出かけているが、大柄な体格の欧米ライダーに併せてあるためか、ハンドル位置が低くて遠いと感じたという。これを解決するために製作したのが、ハンドルポストに装着する『セットバックライザー』。ハーネスやホース類を交換する必要はなく、ハンドル位置はノーマルよりも27mm高く、30mm手前になる。
違いは跨がってハンドルに手を掛けた瞬間に実感できる。僕は身長176cmだが、ノーマルだと腕が伸び気味になって肩と首への負担があり、Uターンのようにハンドルを大きく切る場面ではコントロールのしにくさを感じたが、セットバックライザーの装着でこうした不満は解消。身長180cm以下のライダーは試してみることをお勧めする。
さらにステップ上面に約18度の前下り傾斜を設けて足首の負担を減らし、ステップ自体も8mm下がる『ツアラーステップ・タイプ2』と組み合わせることで、クルージングは明らかに快適になる。かつて最高峰クラスのワークスライダーとしてレーシングマシンの開発に携わっていた樋渡氏ならではの発想と、アールズ・ギアの技術が凝縮された製品だ。
ハンドルセットバックライザー
最新のマシニングセンタによってアルミ材から削り出し、ノーマルのハンドルポストと同色のアルマイト加工を施した『ハンドルセットバックライザー』は税込4万7850円。七宝焼きエンブレムのある場所がノーマルのクランプ位置で、装着によってハンドルは約30mm手前、約27mmアップとなる。
ツアラーステップ・タイプ2
ステップペグ上面を18度前傾させて足首の負担を減らし、高さを8mm下げて膝の曲がりを緩和する『ツアラーステップ・タイプ2』は税込3万3000円。R1200GS/R1250GSにも適合する。アルミ削り出しのペダルは開発中で近日発売予定とのこと。
文:太田安治/写真:南 孝幸