天候を読み切り小椋が2位表彰台獲得! 同じ選択をしたゴンザレスが初優勝!
土曜日の予選は生憎の天気となったが、予選の直前に佐々木のMoto2クラス継続参戦のアナウンスが発表された。佐々木は来季からRW-Idrofoglia Racing GPに移籍。ポテンシャルが評価されたからこそ2年契約、来季は佐々木の上位での走りを期待したいところだ。
そんな佐々木はQ1から出走し10位で敗退。残念ながら決勝は後方からのスタートとなってしまったが、追い上げに期待したいところだ。
ポールポジションを獲得したのはジェイク・ディクソン(CFMOTO Inde Aspar Team)だった。ディクソンは1回目のアタックでトップタイムをマークすると、その後雨足が強くなり各車タイム更新ならず。
早々にタイムを出していたディクソンがポールポジションを獲得している。2番グリッドはゾンタ・ファン・デン・グールベルク(RW-Idrofoglia Racing GP)、3番グリッドには前戦優勝者のアロン・カネット(Fantic Racing)がつけた。
上述の通り、セッション中に天候が変化したこともあり、小椋は予選を9位で終え、決勝は3列目からのスタートとなる。しかし、小椋は決勝がドライであれば自信があるとコメントしており、決勝での巻き返しに期待したいところだ。
そして迎えた決勝日。曇り空ではあるものの、ドライコンディションの中スタートした決勝レースだったが、スタートが合図になったかのように、スタートと同時に雨が降り始めてしまい、レースは赤旗中断となる。
レースは12周に短縮され再スタート。この際、多くのライダーがウェットタイヤを選択する中、雨が弱まりつつある状況にかけた小椋はスリックタイヤを選択。天候、そして自身のドライコンディションでの強さにかけた小椋はギャンブルに出たのだ。
スタートではポジションを落としながらも慎重に走行していた小椋だったが、この選択がハマった!小椋は周りとは明らかに違うスピードで追い上げていき、一気にトップに浮上。
1人集団から抜け出し独走状態となった小椋だったが、後方から同じスリックタイヤを選択したマニュエル・ゴンザレス(QJMOTOR Gresini Moto2)が小椋をも凌ぐスピードで猛追。
残り4周で小椋に追いついたゴンザレスは小椋を抜きトップに浮上。ゴンザレスのペースの良さ、ランキング上位勢のポジションを加味し、小椋は2位キープに専念。深追いすることなくしっかりとマシンをゴールに運んでいた。
トップに立ったゴンザレスはそのまま逃げ切りトップチェッカー。Moto2クラスで初優勝を挙げた。そして小椋は母国GPで見事な2位表彰台を獲得。これで母国戦では3年連続で表彰台獲得となった。
また、2001年の250ccチャンピオンである故・加藤大治郎氏の子供達も祝福。一晃氏がチェッカーフラッグを振り、凛香氏が小椋に伝統の日の丸を手渡していた。
そしてチャンピオン争いにおいても小椋は2位に60ポイント差まで拡大。残り4戦ということもあり、2009年以来の日本人チャンピオン誕生の瞬間が現実味を帯びてきた。
3位にはこちらもタイヤギャンブルを成功させたフィリップ・サラッチ(Elf Marc VDS Racing Team)が入っている。
佐々木歩夢は再スタートでウェットタイヤを選択したこともあり苦戦。最終的に21位でフィニッシュしている。
次戦は10月18日から20日にかけてオーストラリアのフィリップ・アイランド・サーキットで行われる第17戦。いよいよタイトルに向けてのカウンドダウンが近づいてきた小椋だが、非常にチャレンジングなサーキットとなるフィリップ・アイランドは重要な1戦となる。
これまでで最大の点差を稼いでいるだけに、転倒やノーポイントは避けたいところ。小椋にとって正念場となる1戦、見逃せない戦いが続く。
2024 Moto2 第16戦日本GP 決勝結果
レポート:河村大志