レポート:スマートモビリティJP編集部
※この記事はウェブサイト「スマートモビリティJP」で2024年9月7日に公開されたものを一部編集し転載しています。
日本の電動キックボードシェアサービスの「LUUP」に関する記事はこちら!
自社開発による“開発速度”を生かして、6年でバージョン4まで進化
Limeはアメリカの電動モビリティシェアサービス会社で、2017年に自転車のシェアリングサービス「LimeBike」としてスタートし、翌2018年には電動アシスト自転車と電動キックボードのシェアリングサービスを開始。現在では全世界でユーザー数7500万人、車両台数20万台を誇る世界最大の電動モビリティシェアリングサービスに成長した。
Limeの強みは、利用者などの意見に応えるために車体やシステム等を自社で開発し、進化し続けている点にあり、総乗車回数6億回、計10億km分の利用データに基づいて改良を重ねた結果、現在運用されている電動キックボードは6年目にしてすでに第4世代となる「Gen4」にアップデートされている。
「Gen4」は、立ち乗りの「電動キックボード」と、この電動キックボードの車体に着座シートと収納バスケットが追加装備された「電動シートボード」の2種類をラインナップし、乗り心地の良いエアタイヤ、ハンドルバーが手前に湾曲した「Swaybar」設計、故障を見越して再利用可能なモジュール化部品を採用するなど、安全性・整備性が高められているのが特長だ。
なお、海外で展開されている電動アシスト自転車については、車両が欧米仕様であるため日本人の体格だと大きく、重くなってしまうことから同時投入は見送られ、今後日本向けに改良された新モデルが提供されるという。
「電動キックボード」で長距離走ってみた検証レビュー記事はこちら!
立ち乗りの「キックボード」と着座スタイルの「シートボード」
今回日本に導入された「キックボード」と「シートボード」は、16歳以上が免許不要で乗ることができる「特定小型原付」の保安基準に適合するように専用設計された「Gen4.1シリーズ」。
ハンドルバーの長さが特定小型原付の全幅規定(60cm以内)に収まるように短くされているほか、歩道モード(最高速度6km/h)や最高速度表示灯が追加されるなど日本専用設計となっており、国土交通省の保安基準審査制度である性能等確認制度をクリアしているため安心して利用することが可能だ。
「電動シートボード」は、電動キックボードモデルにシートとバスケットを外付けしており、ハンドル高/シート高が固定式となっている。つまり、ハンドルが立ち乗りのキックボードと同じ高さ(=座り乗りには高い)であるため、固定式のシート高と合わせ、身長が低い方にとってはやや使いづらいかもしれない。
また、一般的な電動キックボード同様に、発進する際にはまず足でケンケンして初速をつけないとスロットル操作を受け付けないシステムになっているため、それにシートを追加した「シートボード」においても初速をつけないといけず、初めて利用する初心者や足腰の弱い方などは大いに戸惑うことになるだろう。
2024年8月19日のサービス開始から数週間時点でのデータによると、ユーザーのおよそ7割が「電動シートボード」を、約3割が「電動キックボード」を利用しており、「電動キックボード」利用者の走行距離が平均2〜3kmなのに対して、「電動シートボード」の利用者は最長19km利用したユーザーがいるなど、乗車距離が長い傾向にあるという。
【主要諸元 Lime 電動キックボード】
全長×全幅×全高 :1350×590×1180mm
重量 :34.0kg
歩道走行モード対応 :あり
バッテリー :リチウムイオン(51.66V・18.3Ah)
モーター :400.6W
航続距離 :30km
タイヤサイズ :6.5インチ(前輪)/8.0インチ(後輪)
【主要諸元 Lime 電動シートボード】
全長×全幅×全高 :1380×600×1190mm
重量 :40.0kg
歩道走行モード対応 :あり
バッテリー :リチウムイオン(51.66V・18.3Ah)
モーター :400W
航続距離 :30km
タイヤサイズ :6.5インチ(前輪)/8.0インチ(後輪)
「特定小型原付」規格の徹底解説はこちらをチェック!
東京都内6エリアにて、料金プランは2種を用意
2024年8月19日のサービス開始時点では、東京都内の渋谷区、新宿区、目黒区、世田谷区、豊島区、中野区の6エリアで展開し、40以上のポートに計200台が用意されるという。
利用料金は、基本料金100円+30円/分の通常プランと、LimePassと呼ばれる時間内定額プランの2系統ある。LimePassは一定の期間に複数回利用する場合などは割安になるほか、通常プランにもスマホアプリを通じて乗車中にヘルメットを着用している写真を送ると、利用料金が10%割引される「ヘルメットセルフィ」というシステムがある。特定小型原付はヘルメット着用が努力義務だが、着用率向上に向けた取り組みとして注目されるだろう。
【サービス概要】
サービス提供地域:渋谷区、新宿区、目黒区、世田谷区、豊島区、中野区(2024年8月時点)
ポート数:40か所以上(2024年8月時点)
車両数:合計200台(2024年8月時点)
利用料金:
①基本料金100円+30円/分
②LimePass
・30分パス(30分/1日):490円
・60分パス(60分/3日):890円
・160分パス(160分/7日):1,980円
・300分パス(300分/30日):3,480円
※「ヘルメットセルフィ」機能:ヘルメットを着用している自撮り写真をアプリを通じて送るとことで、通常料金から10%割引されるシステム。
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