2024年9月末に、ホンダ「NX400」で2泊3日のキャンプツーリングを楽しんできました。400cc以下の最強クロスオーバーは、じつは全排気量でも最強の旅バイクなのではないか、と感じたしだいです。
レポート:西野鉄兵

平均燃費と航続可能距離

画像1: 平均燃費と航続可能距離

1回目の給油 350km÷11.2L=31.25km/L
2回目の給油 397.7km÷13.43L=29.61km/L
3回目の給油 119.3km÷3.07L=38.8km/L

上記が今回の実測燃費です。3回目は走行距離が短いため比較が難しいですが東名高速と首都高が9割くらいで、燃費を意識した走り方をしました。

2回目はほぼ新東名高速と峠道で、エンジン回転数はつねに高めでした。回転数の上げ方や開閉の頻度によって、けっこうばらつきが出ますが、荷物満載でも30km/L前後走れるため、充分に燃費がいいといえるでしょう。

画像2: 平均燃費と航続可能距離

燃料タンク容量は17L。計算上は30km×17L=510km! 高速道路上なら350km、いつでもガソリンスタンドを見つけられる地域の一般道なら400kmを目安に給油を心がければ、ガス欠の心配はなさそうです。

3日間の旅の最終日に最長となる420kmを走りました。1日400km前後の走行はNX400にとって、無理なく楽しめる適度な距離だと思いました。北海道ツーリングやSSTR、さらには日本一周でもこの余裕のある航続可能距離は頼もしく感じることでしょう。


夜間走行での安心感

画像1: 夜間走行での安心感

ツーリング中の夜間走行は、帰り道の東名高速と首都高だけでしたが、その後、都内の街中も少し走ってみました。

灯火類はフルLED。都心の明るい道でもヘッドライトがしっかりと道を照らしているのが分かったので、光量は充分です。また400Xよりも照射範囲が広くなっており、峠道などでバンク時の見通しのよさも高まっているようです。

画像2: 夜間走行での安心感

エマージェンシーストップシグナルも標準装備。急ブレーキを掛けた際、ハザードランプが点滅し後続車に減速を知らせる機構です。発動しない運転を続けられるのに越したことはありませんが、備わっていて損のない安心の機能ですね。


ツーリングでの疲労具合

画像: ツーリングでの疲労具合

走った距離に対して、疲労具合はかなり少なく感じました。3日間走ってお尻がほとんど痛くならなかったのは、嬉しい発見です。

アシスト&スリッパークラッチが装備されているため、左手はラクラク。乗り始めは、クラッチレバーが軽すぎて半クラッチの遊びが一瞬分からなかったほどです。

一番疲れた箇所は右手でした。高速道路を長距離移動では、クルーズコントロールが欲しいなあ、と欲張りなことを考えていました。

ライディングポジションにゆとりがあるため、お尻の位置を前後にずらしたり、背筋を曲げたり伸ばしたり、ペダルの上に立ち上がったりと、いろいろな方法でリフレッシュできます。


欠点というかワガママな要望

ツーリングをするなかで、重大な欠点といえる部分は見当たりませんでした。ここから先は、もしオーナーになったらやりたいことともいえます。

ひとつはヘルメットホルダー。NX400はシートを開けてベルトを通す、ワイヤータイプのヘルメットホルダーを採用しています。これは荷物を積んでいるときには使いにくいので、外付けのオーソドックスなものを装着したいですね。

ちなみにツーリング中は、シートバッグにカラビナやパラコードストラップを付けて、簡易ヘルメットホルダーとして使っていました。

次にETC車載器。NX400のキャラクターなら、標準装備で文句をいう人はかなり少ないのでは、と思いました。あとは電源ソケットもはじめから備わっていたら、今回のキャンプツーリングでスマホの充電に不安を抱えることがなかったと思います。

最後はカラーについて。マットブラックは見た目がものすごくかっこよく感じました。正統派のホワイトに対し、この黒は硬派な印象で人気が二分していそうですね。

画像: 欠点というかワガママな要望

ただ、“マット”ブラックであるがため、小傷が少し不安に。正直、自分が愛車にしたらあまり気にせずガシガシ使うと思いますが、ジャケットのボタンやファスナー、シートバッグに備わる樹脂パーツの接触、シートバッグの取付ベルトのこすれ、など気をつかうシーンは多かったです。


まとめ

画像1: まとめ

個人的にトータルで見て、いま日本一周をするのなら、この一台!

「明日から日本一周してきてくれ!」もしそんな夢のような指令が出たら、日数や予算など何も聞かずに「車両はNX400でいいですか?」と、尋ねると思います。

それほど自分の体格(175cm・73kg)にマッチし、日本を楽しく走るということにぴったりな一台だと思いました。

何かに特化すれば何かを失います。ところが「NX400」は極力何も失わずすべてを得ようとしたかのような欲張りパッケージです。

画像2: まとめ

大型アドベンチャーに比べれば小ぶりで、ありあまるパワーといえるほどの力もありません。ただ2泊3日のキャンプツーリングで、パワー不足を感じることは一切なく、むしろ私のライダーとしての実力がバイクに負けていると感じることばかりでした。

画像3: まとめ

きっと乗り続けたら、もっとスマートにより気持ちよく走れるようになり、ライディングスキルも上達するだろうなと思ったしだいです。

それが冒頭でお伝えした“ちょうどいいの一歩先”。日本を走る現実的なツーリングにおいて、最良の相棒になり得ると感じました。

ホンダ「NX400」主なスペック・燃費・製造国・価格

全長×全幅×全高2150×830×1390mm
ホイールベース1435mm
最低地上高150mm
シート高800mm
車両重量196kg
エンジン形式水冷4ストロークDOHC4バルブ並列2気筒
総排気量399cc
ボア×ストローク67.0×56.6mm
圧縮比11.0
最高出力34kW(46PS)/9000rpm
最大トルク38N・m(3.9kgf・m)/7500rpm
燃料タンク容量17L
変速機形式6速リターン
キャスター角27°30′
トレール量108mm
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク
タイヤサイズ(前・後)110/80R19M/C 59H・160/60R17M/C 69H
燃料消費率 WMTCモード値28.1km/L(クラス3-2)1名乗車時
製造国日本
メーカー希望小売価格89万1000円(消費税10%込)

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