レポート:スマートモビリティJP編集部
※この記事はウェブサイト「スマートモビリティJP」で2024年10月16日に公開されたものを一部編集し転載しています。
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バッテリーを除いた車両価格は約90万円とお手頃
リーンモビリティはトヨタ自動車出身の谷中壯弘氏が2022年に愛知県で立ち上げたリーンモビリティ株式会社と台湾のLean Mobility Inc.から構成される“日台連合”のスタートアップだ。当初、28億円の資金を調達してその後46億円まで増資している。谷中社長はトヨタ出身だが資本にトヨタは入っていないという。企業理念と開発中の製品が高い評価を受けたことによりこの莫大な資金が集まったのだろう。
谷中社長はトヨタ在籍中に「i-ROAD」の企画開発や「C+pod」、「C+walk」などを手がけた、いわば“都市型小型モビリティ”のスペシャリストだ。当然のことながら、その知見と技術力は世界レベルにあると言っていい。
すでに2025年の半ばに市販すると発表していたが、もっとも気になる価格については明らかになっていなかった。そこで谷中社長にストレートに聞いてみると、まず台湾から販売をスタートして、続いて日本になるとのことで、車両価格は「20万台湾ドルになります」とのこと。10月16日時点で1台湾ドル=4.63円なので「92万6000円」になる。日本では「90万円前後」ということだった。
ただし、これはバッテリーなしの車両価格でバッテリーについては月々日本円にして3000〜4000円ほどのサブスクで提供することを考えているという。買い取りにも対応するが、バッテリーをサブスクにすることでイニシャルコストを抑えることができるのは大きなメリットであり、さらにバッテリーの劣化についての不安も解消されるという利点もある。
そして、販売方法についてだが「テスラのような直販」になり、サービス拠点については「検討中」ということだ。
また、将来的な目標だが、モデルライフについては6年と考えており、2030年にはグローバルで5〜10万台/年の販売を目指しているそうだ。そして次の展開としては商用版、高級版、廉価版などの派生車を検討中で、さらにLean3は3輪だが4輪モデルの開発も手がけるかも知れないとのことだった。
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ミニカーは車検不要などランニングコストは少なめ
さて、Lean3の技術的なおさらいをしておきたい。まずなぜ4輪ではなく3輪なのかと言うと、これはサイズを抑えたいというのが大きな理由だそうだ。
小型車/普通車の駐車スペースに2台停められるようなサイズにするためには3輪にする必要があった。これは大きなポイントでこうした視点があれば、現状の様々なモビリティをとりまく環境で受け入れられやすくなるだろう。ユーザーの増加とともに商業施設の駐車場にも2分割したスペースができるかも知れない。施設側では2分割は容易に対応できるはず、ちょっと大きいだけで結果的に従来の小型車/普通車のスペース1台分が必要になってしまったら、小型モビリティのメリットが活かせないというわけだ。
前2輪、後ろ1輪の3輪だが、後輪が駆動輪でインホイールモーターを持つ。ホイールの中にモーターがあるのだが、これはスペース効率が非常によい。大きな出力を必要としない小型モビリティとしてはメリットが大きい。メーカー名は非公表だがバイク用のものを転用しているという。また駆動輪が1つだとコスト的にもかなり有利なことは言うまでもない。
最後に車両区分についてだが、日本では「ミニカー」になる。そのため乗車定員は1名になるが、台湾と欧州向けはカテゴリーL5の2人乗りだ。日本でも今後、カテゴリーを超小型モビリティ(型式指定車)として、2人乗り仕様も販売するとのことだ。また、ミニカーは車検不要だが超小型モビリティ(型式指定車)になると車検が必要になる。車庫証明はどちらも不要だ。
2025年はこうしたミニカー/超小型モビリティが各社から続々と登場することになるが、このLean3はそうした中でも競争力がかなり高いことは間違いないだろう。
【主要諸元 リーン3(日本仕様/ミニカー区分)】
・全長×全幅×全高:2470×970×1570mm
・ホイールベース:1800mm
・トレッド:850mm
・最小回転半径:3.6m
・タイヤサイズ:前90/90 R14 後150/70 R14
・乗車定員:1名
・駆動方式:後輪
・モーター:インホイールモーター
・最高速:60km/h
・電池:リン酸鉄リチウムイオン
・電池容量:8.1kWh
・充電時間:AC100V/約7時間 AC200V/約5時間※
・航続距離:100km(WLTCクラス1)
※は暫定値
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