Hondaが大きく飛躍するきっかけとなったのが、1958年に登場したスーパーカブC100でした。独創性と技術力でそれまでにない実用性と高性能を実現。シリーズ合計1億台以上が生産され、世界中で愛されることになりました。現在スーパーカブには50から125まで様々な排気量がありますが、中心になっていたのは50ccでした。そこで今回はスーパーカブの中でも50ccにフォーカスし、どのような進化を遂げてきたのかを紹介したいと思います。
※この記事はウェブサイト「HondaGO バイクラボ」で2024年9月26日に公開されたものを一部抜粋し転載しています。
文:後藤 武
※この記事はウェブサイト「HondaGO バイクラボ」で2024年9月26日に公開されたものを一部抜粋し転載しています。
文:後藤 武
スーパーカブはどんな時代に生まれたのか
最初にスーパーカブが誕生した1950年代の日本がどのような時代だったのか、簡単に説明しておくことにしましょう。
この写真は1952年の東京 日本橋の様子です。
1945年に第二次世界大戦が終了し、日本は復興への道を歩みだすことになります。
焼け野原となった日本ですが、そこからの回復は目覚ましく、10年後の1955年には高度成長期に突入。実質経済成長率が10%を超えるまでになり、二輪車、四輪車の重要性も高まっていきます。
Hondaは終戦の翌年に現在の前身となる本田技術研究所を浜松に設立。
1950年に東京進出を果たしています。
人々の生活を支える二輪車という着想
Hondaが1952年に発売したのがカブF号でした。
自転車に空冷2ストローク単気筒エンジンを搭載したカブF号は、通販で日本中の自転車店に販売網を広げるという方式を採用したこともあって、好調な売れ行きを記録します。