いま、ホンダEクラッチヤマハのY-AMTなど、通常のMTとは異なる次世代トランスミッションが続々と登場している。この記事では、多くの方が気になるであろうことについて、Q&A方式で簡潔にお伝えしていく。
文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸

次世代トランスミッション Q&A

画像: 次世代トランスミッション Q&A

Q.指のシフトスイッチと足のシフトペダル、どっちがいい?

正直言って、これは慣れと好みの問題でもあるのだが、ヤマハが発表したところによれば、シフトスイッチで変速操作をするY-AMTの変速に要する時間は約0.1秒で、これはクイックシフターと同じ早さ。足の動きより手の動きの方が敏捷なので、ライダーがなじめばスイッチシフトの方がさらに早くなる可能性もありそうだ。

一方の足シフトは、従来のマニュアル車の操作と全く同じでクラッチ操作がないだけなので、ほとんどのライダーが違和感なく、いきなり使うことができるだろう。

これを重視してか、BMWのASAは足シフトを採用。KTMのプロトタイプは両方搭載していたが、今後変わる可能性も。ホンダのEクラッチはMT車と同じ構造なので当然足シフトだ。

画像: ASAを搭載する「R1300GS アドベンチャー」のシフト部分。

ASAを搭載する「R1300GS アドベンチャー」のシフト部分。


Q.ギアを入れたまま停めることはできる?

ホンダEクラッチ、AMTともにできる。どちらも自分でギアをセレクトするので、たとえば1速に入れた状態で停車してエンジンを切れば、機械的にその時点で入っているギアのまま駐車することができる。坂道や傾斜のある路肩に駐車するときは、しっかりギアを入れてからエンジンを切るようにしたい。

ちなみにホンダのDCTは電源をOFFにした時に自動的にニュートラルに戻る機構のため、パーキングブレーキを備えている。


Q.マニュアルモードとATモードの違いは?

ホンダEクラッチは機構的にはマニュアル車なのでATモードは備えていないが、他社のAMT車にはATモードが用意されている。

自動的に変速操作をしてくれることでスクーターのような感覚で操作できるので、疲れている時や発進・停止の多い場面で有効だし、ロングツーリングの帰り道などにも便利で快適だ。

スポーティに走りたい時はマニュアルモードが楽しいが、ヤマハのY-AMTには変速時のエンジン回転数を若干高めにした「D+」モードも用意されている。

画像: YAMAHA Y-AMT

YAMAHA Y-AMT

画像: Honda E-Clutch SYSTEM

Honda E-Clutch SYSTEM


Q.マニュアルトランスミッション車と比べて耐久性は?

ホンダのEクラッチ車もヤマハのY-AMT車も、機構的には従来のマニュアル車とほとんど同じなので、耐久性に関しては心配ないと言える。

たとえば極低速で「遅乗り」を長時間したりするような状況では、さすがにクラッチにもそれなりの負荷がかかるだろうが、それはマニュアル車でやっても同じこと。

クラッチプレートやギア本体の寿命に関しても、基本的に従来のマニュアル車と同じパーツを使っているので同等と考えていいだろう。


Q.バッテリーが上がったらどうなるの?

電気的にクラッチ操作と変速操作をするAMTの場合、仮にギアを入れて停車した状態でバッテリーが上がると、クラッチレバーやシフトペダルがなくシフトチェンジができなくなるため、バッテリーを交換しないと移動ができなくなる。

ただ、バッテリーが上がってしまえば普通のバイクも自走できないわけだから、条件はほぼ同じ、と言っていいだろう。ただ、ホンダEクラッチ車は緊急時にニュートラルにしてその場から移動することは可能。

文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸

This article is a sponsored article by
''.