文:石神邦比古/写真:森 浩輔
いつもは煩わしい“風”も『Z900RS SE』なら心地いい!
26歳ではじめてのカワサキ車デビュー。
はじめての『Z900RS SE』ということで、イメージだけのカワサキスタイルで臨もうとしたのですが、寄せ集め即席スタイルでは本物たちの真似事は出来ずあえなく断念。
26歳という自分の年齢層にとって馴染みのある、いつものツーリングスタイルに着替えて再出発です!
郊外のツーリングロードで性能を確かめるべく乗り込んだ高速道路ですが、やはり懸念していたものに直面しました……。
風です。
ネイキッドスタイルの『Z900RS SE』はもちろん走行風の影響をもろに受けます。
普通に走っていてもですが、948ccエンジンによる加速時なんて特に「ジャケット破れるんじゃないの?」ってくらいパワフルに走ります!
しかし、普段ならウンザリする走行風ですが『Z900RS SE』で走っていると不思議と気分が上がる……!
だって『Z900RS』って往年の『Z1』や『Z2』をイメージしたスタイリングでしょう?
当時日本ではカウル付きのバイクは認可されていなかったから、当時のライダーたちもカウルなんてなしにハンドルにしがみついて風に抗っていたと思うんです。
そう考えると、その往年の名車を彷彿とさせるスタイリングのバイクで、猛然と空気の壁に向かっていくのは正しいことに思えてくる!
カウルなんて、甘えだぜ……!!!!
ただし、『Z900RS CAFE』のビキニカウルは機能じゃなくてロマンだと思ってるからアリ!
そんなわけで『Z900ES SE』は、風に関しては思いのほか気になりませんでした。
それに『Z900RS SE』のライディングポジションはハンドル位置が外から見る印象より低く、オールドネイキッドらしい殿様スタイルになりません。
腕、足、お尻の3点で丁度良い塩梅で身体を支えるから、走行風を上手く使えば風圧を利用して腕の負担を減らすことができます。
また、高速道路での移動においては『Z900RS SE』に搭載されたオーリンズ製リアショックの恩恵を大きく感じることができます!
『Z900RS SE』のリアショックはスポーツバイク特有のカチカチ感が無く、大きくしなやかに可動しているように感じるけれど、動いた後はしっかり収束し、揺り返しの不快感がありません。
「リアサスペンション」がここまで高級な最新のバイクに乗ったのは初めてでしたが、良いものを知ってしまうと離れられなくなる気持ちがちょっとわかる気がする……。
948ccのエンジンによるゆとりのあるクルージング性能は申し分なく、4気筒のスムーズなフィーリングは長時間だとお尻に来る不快な振動もありません!
合流や車線変更も楽々で、思いのほか高速道路は楽ができました。
予想以上に快適すぎて、ともすれば退屈してしまいそうな高速道路の上でしたが……そこで楽しませてくれたのがメーター周りのビジュアルでした!
砲弾型の2連アナログ式メーターはメッキがピカピカと光や外の風景を反射し、スロットル操作に合わせて揺れる針の動きが心を搔き立てます。
やはりバイクはアナログ2連メーター!って方にはたまらない仕様です!
また個人的に気に入ったのは、こちらもメッキ仕様のテーパーハンドル!
……最近はパウダーコートのブラックやシルバーのハンドルばかり見ていたから、キラキラと輝くメッキハンドルが逆に眩しい……。
丸型のミラーはブラックですが、個人的にはココもメッキだとテンション上がりそう。
でもここは個人でカスタマイズして楽しむところでしょうか?
自分の給料では到底買えないバイクのカスタマイズに夢想していると、高速道路は存外楽しく通り抜けることができました。
お次はツーリングロードで走らせてみたけど、思ってたのとかなり違う⁉
【文:石神邦比古/写真:森 浩輔】