ロイヤルエンフィールドは新型車「BEAR650(ベア・ロクゴーマル)」の国際試乗会を米国カリフォルニアで開催した。英国生まれインド育ちのブランドが米国で発表会を開催する意図とは!?
文:河野正士/写真:ロイヤルエンフィールド

ロイヤルエンフィールド「ベア650」車両解説・インプレ(河野正士)

画像: Royal Enfield Bear 650 総排気量:648cc エンジン形式:空油冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒 シート高:830mm 車両重量:216kg(燃料90%搭載時)

Royal Enfield
Bear 650

総排気量:648cc
エンジン形式:空油冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒
シート高:830mm
車両重量:216kg(燃料90%搭載時)


本物のスクランブラーがベア650の起源

ロイヤルエンフィールド(以下RE)はEIMCA2024のプレスカンファレンスで、電動モデルから2025年モデルまで、いくつもの新型車を発表した。「ベア650」もその1台だ。

「ベア650」は、コンチネンタルGT650やINT650という、REの英国テイストのツイン・ファミリーと同じ排気量648ccの並列2気筒エンジンと、ダブルクレードルフレームを継承。そこにオフロード走行も意識した足まわりをセット。それによってスクランブラースタイルが構築されている。

REの車体設計の責任者であるマーク・ウェルズは「ツイン・ファミリーのプラットフォームを使ったスクランブラーモデルの構想は、コンチネンタルGTやINTを発表した直後から思い描いていたものだ。そして、その両モデルを市場投入した後、世界中のユーザーがINTをベースにしたスクランブラースタイルのカスタムバイクを造って楽しんでいるのを見て、これはプロダクトとしてラインアップするべきモデルであると確信した」と語っている。

またREがスクランブラーモデルを造るべき理由は、EIMCA前に世界中のジャーナリストを集めて発表会を行ったアメリカの地にもあった。それが、モデル名の由来となったビッグベア・レイクでのデザートレースだ。

ビッグベア・レイクはロサンゼルスから200kmほど西に走ったところにある湖。そこで開催されるデザートレースの最終回で優勝したのが500cc単気筒のREだったのだ。

REはその優勝をきっかけに、北米でモータースポーツに焦点を当てたプロモーションを展開。デザートレースやフラットトラックレースを戦うライダーたちに支持されていく。

そして1960年、レース参戦を視野に入れた新型車を投入。それが並列2気筒エンジンを搭載していたREモデル「コンステレーション700」をベースに、タイヤやサスペンションをアップグレードした「インターセプター700」であり、アメリカからインターセプター(日本ではINT)の歴史がスタートした瞬間である。

画像: ロイヤルエンフィールド「ベア650」車両解説・インプレ(河野正士)

REの英国系ツイン・ファミリーとプラットフォームを共有すると言いながら「ベア650」は、他の2モデルとは少し違っている。排気系にはツインファミリー初の2イン1サイレンサーを採用。セッティング変更も加え、全域にわたってトルクを8%ほど上乗せしている。

またフロントには倒立フォークを奢り、前後サスペンション長およびストローク長をアップ。フロント19/リア17インチホイールに、専用開発したオン/オフ共用のブロックタイヤを装着する。また足まわりの変更とオフロードでの走行を考慮し、ステアリングヘッド周りにガセットを追加しフレームを強化。リアケース&バッグの装着を考慮してリアフレームも強化されている。

それらの変更によって、前後ともに足が長くなっているにも関わらず、ロード寄りのサスペンションセッティングによってワインディングをガンガン走ることができるし、そこでの車体の切り返しもロードバイク的だ。

低中回転域のトルクが増え、アクセル操作に対する車体の反応が良くなったコトも加わり、車体はグッと軽く感じられる。これなら荷物を満載してのロングツーリングでも走りを楽しむことができるだろう。

画像: フロント20mm/リア27mm、それぞれサスペンションのストロークを伸ばしているが、オフロードを走ったときはやや硬く、もう少しストロークを感じながら走りたい。

フロント20mm/リア27mm、それぞれサスペンションのストロークを伸ばしているが、オフロードを走ったときはやや硬く、もう少しストロークを感じながら走りたい。

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